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ばっと顔を上げると、棗くんがこっちを見ていた
同じ服装とは思えない程、やっぱり今日も彼の容姿は天使だった
「あっいや、えー」
何故か久しぶり見たせいもあるのか、その容姿に圧倒されて上手く話せない俺を無視して
「なんかカメラ持ってるし、一枚撮ってよ」
「あっうん」
ピースしてくる棗君
とりあえずパシャと一枚写真を撮る
今のが一番上手く撮れた気がする・・・ただ被写体が良いだけだろうけど
「そーいやさー亮君に好きって言われたー?」
「・・なんでそれを?!」
「だって亮君の家で遊んだ日さー、途中で翔君が帰ったじゃん?あの後亮君思考停止してたからねー。今思い出しても笑える」
吹き出す棗君を見て、確かにそんな事もあったなぁと思い出した
「どうせ俺に嫉妬した亮君が、勢いでぶちまけちゃったんだろうなーって」
・・・当たってる。すごい
「んで?返事は?」
「・・・友達だから」
棗君の勢いに負けた俺は視線を合わせられず、小声で答える
「うわーー亮君可哀想ー、まぁ予想通りだけど。翔君的には何がだめなの?」
何がダメって聞かれると、ダメなところなんて何一つない
性格も、容姿も最高だと思う・・・いや、俺が女子ならね!!!
「ダメなところはないけど・・・俺は男を好きになった事ないし・・」
「じゃあお試しで付き合えば?それに翔君は可愛い女の子になれるよね?魔法少女だって、女子高生だって。・・ね?」
ニタニタと笑いながら言う棗君に、完全に思い出した!!魔法少女の時の写真を持ってるって言われたんだった!それに女子高生って絶対こないだのやつだ!!
「その写真消して!」
「えーやだー、せっかく可愛く写ってるんだからさー、別に脅したりしてないじゃん」
「とにかく消して!」
「えー」
この世に俺の黒歴史が存在するというのが嫌だ!それに棗君に可愛いなんて言われても嫌味だ
「俺は女になんてなれないし、お試しなんかで付き合えない!・・亮介にも失礼だし」
「堅物だなぁー、付き合って好きになっても良いと思うけど。別に亮君もそれで嬉しんじゃないかなー?亮君モテるし今までは、相手から寄って来る事しかなかったと思うんだけど、あんなに必死になっちゃってねー。・・・どんだけ好きなんだよ」
確かに亮介は今までモテてきたんだろうな、って感じ。こんな俺みたいなやつを好きなんて不思議だ
なんて思っていたら、不意に棗君の表情が暗くなった気がした
「まぁ亮君の事よろしくねー、じゃあおれ次出番だからー」
またいつものヘラっとした表情に戻り、やっぱり今のは気のせいだったんだと思う
棗君は入場門の方へくるっと向いて
あっ写真!!!
そう思った時には棗君は見えなくなっていた
その後応援席に戻ったが、吉澤はおらず、後方を見ると吉澤と黒髪セミロングの、ちょっとふくよか女子が話しているのが目に入る。いや、かなり、ふくよかだ。
正直自分の想像していた彼女像とは、全く反している。ピチッと履いているミニスカートが、かなりキツそうだ。
おそらくだけど噂の彼女だよな?
俺の存在なんて視界に入ってないだろう吉澤は、こっちからでも分かるようにデレデレしてる
いいなぁ彼女が体育祭に来てくれるって、なんて思いながら競技に視線を戻す
いよいよ学年全員による徒競走の時間になった。
結局吉澤は彼女のところにギリギリまでいたし、亮介は出場する競技が多いのと、応援席も俺から離れてるから話せてなかった。
入場し自分の番まで間、その場の雰囲気だと思うけど緊張してきた
じっと前に走っている人を見ていると、亮介が走り出していて、かなりの距離を開いて、圧勝で1番にゴールしていた。流石がだなー、と思っていたら吉澤が走り出した
かなりギリギリだけど、なんと1番にゴールした
おお!!吉澤〜!すごい、カッコいいぞ!!
吉澤の勇姿を見た俺は俄然やる気がでた。よし!俺も中間から脱出するぞ!
ついに自分の番になり、緊張でドキドキと心臓が脈をうつ。スタートと笛と共に全力で走る。6人で走っていて、前に2人いるのが視界に入る。
もっと前に出ないと、もっと前に・・!!
あっやばい
と思った時には遅く足が、絡まる感覚に陥る。あっこれは転ける。と思ったのと同時に俺は地面に、顔面からダイブしていた
いっ痛いーー・・・
早く起き上がらないと、顔面と膝がジンジンと痛むのを我慢して、なんとか起き上がる。周りからは、頑張れー!という声が聞こえてくる。あと少しだ、もう全力では走れないけどゴールまで走る
やっとゴールまで走り終えた俺は、誘導係の人に
「酷い怪我、早く保健室に!」
と言われて、ぱっと下を向く。そうすると膝から血がドバドバ出ているのが目に入る
これは思った以上に酷い・・・
「俺が連れて行く」
そう声をかけられて、上を向く
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