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「いいよ!1人で行けるし!」
亮介が目の前に立っていた
「いいから」
腕を掴まれて、ビクッと体が震えた
「けど」
俺が話す途中で亮介の背中が目に入り、太腿から手を伸ばされ、担がれて視線が高くなった
反射的に亮介に、両腕で掴まる
ひっーーーーー!!!!!はっ恥ずかしい!!
「っ!本当大丈夫だから!」
走り終わった生徒がザワザワし、こっちを見ている視線が痛い
「じゃあ保健室に連れて行くね」
誘導係の人にそう言うと、俺の言葉は無視して亮介は保健室に向かった
向かう途中恥ずかしさから、下を向いて顔を隠す
いや、隠れてない?
ガラガラという音をたてて、保健室の扉を開ける。
何故か誰もいなかった。先生どこ行ったんだろう・・
「先生いないなー・・・さっき熱中症の人の対応してたから、まだグラウンドかも。翔太は傷の手当てなんてやった事ないだろ?だから俺がやってあげる」
まぁ日頃から傷を作るような、スポーツをしないからな
「ありがとう」
俺を椅子に下ろすと、テキパキと救急箱から消毒液の入ったボトルと、綿球を取り出してセッシで傷を消毒する
「・・いっ!」
消毒液が染みて、反射的に声が出る
「ごめん、染みるよね」
亮介が心配そうな表情で、下から覗くように目線を合わせてきて、パチと視線が合う
ーーーードキッ
この脈一拍からドキッ、ドキッと心臓の鼓動を感じた
「・・あっ・・ぃや、大丈夫」
ぷいっと目線を逸らして、気持ちを落ち着かる
よく分からないけど、緊張しているような、焦ってるような、嬉しいような、逃げ出したいような
や、嫌ではない・・・
ちょっとだけ沈黙がはしり、また亮介の方をちらっと見ると、絆創膏のテープの所を剥がしていた
沈黙が居心地が悪く、何か話さないとっと思い
「本当俺って運動音痴だよなー、たくさん教えてくれたのに、なんかごめんなっ!吉澤は1位だったのに、情け無いよー」
へらっとした表情を作り、声のトーンも上げて空気を変えようと試みる
「そんな事ない、よく頑張ったよ」
亮介も笑いながら、ふざけてくるかと思ったら真逆な反応だった。真面目な表情で絆創膏を傷に貼られる
そのまま立ち上がる亮介を、ぼぅと眺めていると
頭に手が伸びてきて、ぽんぽんっと頭を撫でられる
ーーーードキッ、ドキッ、ドキッ
鼓動が早まるのが自分でも分かる
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