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一位は赤組、二位は白組、三位はーーー」
アナウンスが鳴り、周りから「あと少しだったのに」「一位だと思った」など、残念がる声が聞こえて来る
「うわー、亮介悔しいだろうなー」
吉澤も隣で、口を尖らせている。こっちから見ていると、本当に何方が一位か分からないくらい僅差だった。
順位は二位だったけど、それでも十分に凄いと思う
最後のリレーも終わり体育祭は、閉会式と共に終了した
そのまま自由解散だったため、吉澤は彼女と帰ると言い、慌てて教室に戻っていった。その後俺もゆっくり一人で教室に行く
前の方に恐らく亮介らしい後ろ姿が見えるが、複数のクラスメイトに囲まれているため声も掛けられず、距離を開けながら歩く
正直なんて声を掛ければいいかも分からない。触れない方が良いのか、残念だったねと言うべきか・・・
教室に入れると席が隣だから、どっちみち顔は合わせるんだけど
どうしようかと、悩んでいると教室に着いてしまった。
教室のドアを開け、自分の席に行くと亮介はもう隣で殆ど着替え終わっていた
「お疲れ、傷の方は大丈夫?」
「うん、痛みもないし全然大丈夫」
話しかける前に話しかけられて、一瞬喉が詰まるような感覚になったが、亮介が全く気にしていないような雰囲気だったため自然に会話が出来る
「それなら良かった。というか最後のリレー負けちゃったよ、神山足速すぎだよな」
歯を見せてニカっと笑う表情に、何故かほっとする
「いやけど、亮介も速かったよ!応援席から見てたら、どっちが一位か分からなかったくらい」
「あと一歩くらい遅かったんだよなー。あっ・・・約束した事は忘れていいから」
「・・えっ。・・あっうん!・・・忘れる」
そうだよな、一位だったらっていう約束だったもんな
別に一位じゃなくても良いんだけど・・・。って何で俺残念がってるんだろ!?おかしい!おかしい!
クラスメイトが「亮介ー行くぞー」と声をかけており、声の方に視線を持っていくと、教室のドアの方にバスケ部の人達が集まっていた
「じゃあ部活のミーティングあるから、またな」
「うん、頑張って」
なんだろう、このモヤモヤは・・・。
振替休日で明日から休みなんだから忘れよう
あんまり考えすぎなでいようと思い、制服に着替え終わり教室を出た
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