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「あーお腹いっぱいだ!」
営業時間ぎりぎりまでスイーツを堪能し、駅までの帰り道に両手を上げ背筋を伸ばす
時間は21時をまわっており、周りに人はおらず閑散としていた
「よくあんなに食べられるよな」
「甘いものは別腹っていうだろ」
「それはまた違う言葉の使い方だと思うけど」
「あっそっか」
馬鹿だと言わんばかりにこちらを見られる
しかし不思議と普通のご飯は周りの人と同じくらいしか食べられないけど、甘いものだけはいくらでも食べられるんだよな
将来糖尿病まっしぐらかもしれない
「本当に付いて来てくれてありがとな」
「いや俺もタダでご飯食べれたし。あと翔太のあほ面も撮れたからいいよ」
ニコッと悪戯っ子ぽく笑われて思い出した
「だから消せって!」
「じゃあスマホ取れたら消すっていうのはどう」
亮介は右手にスマホを持ち、頭の上に上げる
「俺を年下の子供だと思ってるだろ・・絶対取る」
簡単に奪い取れると思って両手を上げるが、全く届いていない。身長と腕の長さがこんなに仇になるなんて・・
悔しくてジャンプしてみるが、亮介の腕が動くからなかなか掴めない
「っくそう!あと少しなのに!・・あっ!」
右手がスマホに触れて掴めそうだと思ったが、ただ触れるだけだった
「もう諦めろー」
やっているあいだにムキになってきて、必死に手をのばす。しかしやっぱり触れるのに精一杯だった
けどこのまま諦めるのは嫌だ
「誰が諦めるかっ・・っわ!」
奪い取ることに必死になりすぎていたのか、体が前に倒れそうになる
体幹まで神様は俺から奪うなんて・・
なんてまるで運動しない、いちゃもん極まりないクレームを頭に浮かばせながら、視線が下がっていく
「・・危なっ」
しかし転ぶことはなく、両手で亮介に支えられた
「・・ごめん」
ふざけてたのに必死になって転ぶなんて自分が情けなくて、項垂れる
そして謝りながら上を向くと視線ががっちりと合う
かっ顔が近い!!
無駄に近い距離にドキドキとまた心臓が鳴り始めた
恥ずかしいのに不思議と嫌じゃない
視線がぐるぐると動いて挙動不審な俺を見て亮介は、不思議そうに首を傾げている
「前にした約束・・今してもいい?」
妙な沈黙に零れ落ちるように言葉を落とす
あっ俺なに言っちゃってんだ・・
自分でもパニックになって頭が追いついてない
「えっけど結局1位とれなかったし」
「俺がしたいから・・。ダメかな?」
恥ずかしくて涙目になっていく。全身の血が顔に集まっているんじゃないかと思うくらい顔も熱い
「・・っダメじゃない」
こっちを驚いたように見てくる亮介にさらに、心拍数が上がっていく
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