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「転校生の神山玲君です。みんな仲良くしてね」
新しい小学校で担任の先生から紹介を受け、前に立つ
前に座るクラスメイト達は、好奇心という目でじろじろとこっちを見てくる
朝礼が終わるとすぐにクラスメイトに囲まれた
「どこから来たの?」
「なんで引っ越したの?」
「お昼休み一緒に遊ぼう」
「学校案内するよ」
処理するかのように、一人一人笑顔で答えていく
転校生という立場から、下手に回りながら答えていけばいい
きっとそれが正解だ
転校初日からずっと、僕は前の学校と変わらないくらい周りに囲まれる
どうすれば相手が喜ぶのか考えながら動いてるため当然だと思う
ある日学校終わりに友達と公園で遊んでいた時だった
「私もう帰らないと」
「僕もだ」
「じゃあ今日はもう帰ろっか」
一人が帰ると言いだすと、みんな帰る準備をし始める
「玲君も帰ろう」
そう言われたが今日も僕は家に帰っても一人
いつもはみんなが帰る時に一緒に帰っていたが、何故か今日は少しだけ一人で遊んでいたかった
「僕はお母さんが仕事終わったら迎えに来てくれるから、もう少しここにいるね」
そう嘘をついた
親の仕事ぶりを見ていて大人の仕事がそんな時間通りに終わって、夕方には帰れるのか分からなかったから、嘘がバレるか一瞬ひやっとする
「そうなんだ!」
「じゃあ玲君また明日ね〜」
僕の嘘を誰も疑う事もなく、みんなが手を振ってくる
そうか・・みんな当たり前のように両親、または片親、兄弟が家で待ってるのかな
いつも夜遅く21時すぎ近くにならないと、帰ってこない両親と一緒に住んでいる僕には当然非日常だ
みんなと別れて砂場で城を作る
別に楽しいからやっているという訳じゃなくて、唯の暇つぶしだ
「うわっすごい大きい〜!」
後ろから声を掛けられて、驚いてばっと声の方を見る
「あっごめんね驚かせたよね。玲君と話すの初めてだよね、僕の事分かる?」
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