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ある日放課後廊下を歩いていると、隣のクラスの翔太の教室で女子の話し声が聞こえた
「えっ恵美、田中君の事好きなの?」
「すごい意外!なんでまた・・」
「ちょっと言わないで!みっみんなが言うような人じゃないよ・・。優しいし・・かっこいいし」
「確かに顔は可愛いけどよ?けど神山君しか友達いないし、なんか悪い噂沢山聞くじゃん」
「私も噂は聞くけど、実際に話してみると凄い優しくていい人だよ」
「そうなの?まあ噂だけで実際は悪い人ではなさそうだよね」
「でっ告白するの?」
「・・うん」
「きゃーっピュアじゃん!」
「いいね!うちら応援してるよ」
翔太の名前が出てきたから、自然と教室の外で立ち止まり会話を聞く
ふーん、まだ誰にでも優しいんだね
翔太は変わったと思う
出会った時みたいに周りを見て動いてるのは変わりないけど、声をかけて、手を差し伸べたりはしなくなった
周りを見て目立たないように、周りを気にしてる。人の目に付かないように行動してる。そういった感じだと思う
けどやっぱり根本は何も変わってなかった
・・・あの女は邪魔だな
「水田さん実行委員よろしくね」
「っえ?神山くん私の名前・・」
「知ってるよ。大変だと思うけど頑張ろう、何かあったら俺に言ってね」
「っ、うん!ありがとう!」
ざわざわする教室で隣に座りながら、いつもの様に笑った表情を作ると、顔を真っ赤にしている様子が目に入る
これはきっと簡単だ
文化祭の実行委員を、翔太の事が好きな水田恵美がやっているという情報を手に入れ実行委員を代わってもらった
これで接点が出来たし、これから少しずつ距離を詰めていく
その後委員会で普通に話すようなるまでの、関係性まで待っていった
学校で翔太のクラスまで行き、クラスの人に水田恵美を呼んでもらう
教室の外から見る翔太は窓際の席で、今日も一人だ
外を見ているのか、こっちに気づく様子もなく、手に顎を乗せて肘をついている
寂しそうで哀れで、ここから見ても可愛い
良かった・・変なやつが寄ってきてないな
そう翔太を見ていると視界が遮られる
「神山君どうしたの?」
ポニーテールの髪を揺らしながら、水田恵美がきた。それと・・複数名の女子特有の取り巻き
「資料渡し忘れたから、渡しておこうと思って、これ」
鬱陶しい視線にうんざりしながら、笑顔の仮面を被る
「あっありがとう!!わざわざごめんね」
「大丈夫だよ、俺の方こそ休憩時間にごめんね」
一応周りのどうでもいい奴らにも視線を持っていき、謝っておく
「私達は全然大丈夫!!」
「うんうん!」
「やっぱり水田さんは友達も優しいんだね」
「あっいや」
水田恵美の事をさり気なく褒めてやると、また赤面している
簡単すぎて人を疑うっていうのを覚えた方がいいな、こいつは
「じゃあまた放課後」
そう言い教室を離れると後ろから
「なんで神山君とあんな仲良くなってんの?!」
「てかめちゃくちゃかっこいい!さすが王子!」
なんて丸聞こえの声が聞こえて来る
うざったいが、なんの為にここまで来たかと気持ちを落ち着かせる
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