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少しだけ grzm
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「また暴れまわって来たのか。お前は本当に懲りないな」
グルッペンが仕方ないと肩を竦めながら救急箱を持ってきてくれた。
俺の前にしゃがむと慣れない手つきで俺が怪我した足のところを消毒液で湿らせていく。
「痛いか?」
「慣れたから平気」
「慣れたからと言っていたいのには変わりはないだろう。我慢をするな」
ほぼ毎日のように手当されてる身としてはそんな小さなことを気にしていてはきりがないのだが、グルッペンはそれが嫌らしく、先ほどよりも慎重に手を動かしていくのが分かる。
ふとした優しさに脈が波打った。
「グルッペンは気にしすぎなんよ」
「そんなことはないゾ。お前が気にしなさすぎなだけだ」
そういうくせして自分が怪我したら応急手当をするだけで医務室にいかないのに。
どうして他人の事となるとここまで親身になって接してくれるのだろう。もっと自分を大切にしてほしいのに。
「グルッペンだって怪我したとき我慢するやん」
「俺だって本当にヤバい時は医務室に行く」
でも、それってホンマにヤバいときにしか行かないってことで、小さな怪我ではいかないと言っていることに等しい。
それが嫌なのだ。グルッペンは俺にとってどれだけ大切か分かっていない。
「グルッペンはもっと自分のこと大切にした方がええで」
思わず漏れた本音にグルッペンは一瞬手を止めると、顔を上げ笑って言った。
「ゾムが大切にしてくれてるから大丈夫だろう?」
その瞬間周りの音が遠ざかりグルッペンの笑顔に意識がすべて吸い込まれてしまった。
「・・・・うあ、・・ば、馬鹿じゃないの」
顔から火が出るほど熱い。
グルッペンの言ってることはその通りなのだが、本人が言うのと俺が思うのとじゃ話は変わってくる。
「フハハ、本当のことだろう。ほら、手当終わったゾ」
グルッペンは立ち上がり使った道具なんかを救急箱に戻していく。
「ありがとう」
「何、気にするな」
手当されたところを見ると、今回も丁寧に処置が施されており足を少し動かしても先ほどより痛むことは無い。
「痛まないか?」
「おう、大丈夫やで。さっきと比べて大分ましになったわ」
「それならいい」
手当されたところを優しく触るとグルッペンの温かさが流れ込んでくるようで、目を閉じてその優しさに浸る。
やっぱり、好きやなぁ・・・。
「すまない。この後会議があるんだが・・・」
「俺も大先生に悪戯する気やったから気にせんでええよ。会議頑張ってな」
会議直前だというのに時間をさいてくれたことに対して謝らなければいけないのはこちらだ。
でも胸を満たすのは罪悪感ではなく、幸福感だった。
グルッペンが俺のために時間をつくってくれたことが何よりも嬉しかった。
「・・・・グルッペン」
そんな彼に幸せを少しでもおすそ分けしたくて、
「なんだ?」
「好き」
口にキスを落とした。
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今回はgrzmでした!
最後のタイトル回収感が半端ないですけど・・・w
読んでくださってありがとうございました!!
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