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人がまばらに出てきた頃
僕はアパートに戻った
「さくらっ!」
部屋に入るなり、いきなり正面からハルオに抱き締められた
「…どこ行ってたんだ」
「……散歩」
「ほんとに、それだけ?」
「うん…」
……苦しい…
「心配するから、出掛けるなら一言言ってくれよ」
「……うん」
人生でこんなに重く束縛された事はない
僕は小さい頃から母に見捨てられて
存在しないかの様に育ったし
アゲハも竜一もハイジも
僕の自由まで奪う様な事はしなかった
「…さくら」
僕から少し離れると
ハルオは僕の両肩に手を置いた
そして不安げな表情を浮かべながら、熱っぽい視線を僕に向ける
掴まれた所が痛い…
「……」
ハルオの顔が近付く
前はもう少し軽い感じで迫ってきたりはしたけれど
僕がレイプされて以降は
一変して真剣になっていた
「……やめて」
僕は顔を背けた
「この唇はハイジのものだから…」
ハイジと別れた訳ではなく
訳あって離れている事はハルオも知っている
だからこそ
僕を繋ぎ止めようと必死で
必死すぎて、束縛するのかもしれない…
「…ごめん」
そう言ってハルオは僕から手を離した
「さっきは一人で散歩してたの?」
「…うん」
「誰かと会ってたりとか…」
「一人だよ」
「……そうか、なら、いいや……」
今にも泣き出しそうな悲しい顔を一瞬見せ
僕に背を向けた
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