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「じゃあ、メシ作ってよ!
あんま出せんけど、それ貯めて足しにしたらええ!」
急に話が決まって
急に道が開けて
何だか急に怖くなった
ハルオには告げず
明日学校行くときに最低限の荷物だけ鞄に入れて
凌が迎えに来る……
でもそれじゃあ、ハルオが自殺するかもしれない
執念深く僕を探すかもしれない…
黙って逃げるのは
住まわせて貰った恩を、仇で返すような気がする…
そう凌に言ったけど
ハルオが思い詰めている以上
もし今夜話したら
僕の身が危険だ、と…
学校には当分行けなくなるけれど
凌がハルオに会って、話をつけるから、と……
学校が終わる頃
僕は凌の車から降り、裏口から校内に入った
ハルオとは
今日が最後だ……
「さくらっ!」
校門前にハルオが立っていた
僕を見るなり正面から抱き締める
そして僕の手を取り
恥ずかしげもなく手を繋いで歩く
「美味しいイタ飯屋があるんだ」
ハルオはいつになく嬉しそうな顔をしていた
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