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「…さくら?!」
驚いたハルオは動きを止めた
そして僕の涙を指で掬う
僕はそうされても
太一にされた恐怖から
震えが止まらなかった
「…なん、だよ……」
ハルオはどうしようもないこの現状に、険しい表情になった
「…そんなに、嫌なのかよ……」
「………」
複雑な表情のまま
ハルオは僕から抜いた
「…太一っていうのか
さくらの今の相手は……」
「……」
「ハイジから、どうして僕には向いてくれなかったんだ…
こんなに好きで、こんなに思ってるのに……」
ハルオは僕に背中を向けた
その背中は丸く小さくなっていた
「…僕はさくらを手離したくはない…
僕のモノだ
絶対離すもんか…」
まるで独り言の様にハルオは呟いた
だけど僕には
何にも届いていない…
フラッシュバックで
僕は太一に犯されていた……
「…許、して……」
身体中に走る痛みが
脳に突き刺さる
僕は小さく丸くなって震えていた
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