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玄関のドアが開かなかったのは
下の方に、ドアと壁を繋ぐように金具が固定され
簡単な鍵がかけられていたからだった
ハルオは僕を閉じ込めて
僕を独占しようとした
その狂気的な愛情は
真っ直ぐな程に重く
僕の心を確実に蝕んだ
「いこか」
頭をぽんぽんとされる
「…はい」
僕は荷物を持つと、凌の後をついてゆく
下に置かれた車に乗ると、窓からアパートを見た
ハルオのおかげで
ハイジに出会えた
頼って居候させて貰った
そう思うと、僕がした事は
自分勝手で
ただハルオを苦しめただけかもしれない…
「………」
解放されたいと願いながら
胸が苦しくなるのは
ハルオが本当はいい人だったから……
僕なんかと出会わなければ
きっとあの小柄な彼女と
平和に暮らしてたかもしれないのに……
車が発進する
空には灰色の厚い雲がかかっていて
今にも泣き出しそうだった…
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