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「愛沢さんは後から来るそうです」
「愛沢?」
「え?……あ、凌さんです」
お互い変な空気になってしまう
…凌さんて、愛沢っていうんだ…
今更だけど
僕は凌の事を何にも知らないんだな…
やって来たのは、黒の短髪で清潔感のある、真面目そうな男一人だけだった
以前もここに来た事のある人だけれど
凌がいないというだけで、何となく心細い
男はリビングに上がると、缶ビール等が入った袋を僕に渡してきた
「さくらさんも飲みますか?」
「……え、っと
僕はまだ未成年で…」
「ですよね…」
男は少し申し訳なさそうに笑う
僕がお酒を冷蔵庫にしまっていると、背後から再び声がした
「あの…」
「……」
「前から思ってたんですけど…
さくらさんって、男にしとくの勿体無いくらい可愛いですよね」
その言葉に僕は驚いて振り返った
自意識過剰と言われても仕方がないのかもしれない
けど、僕は身構えてしまった
「俺の知り合いが芸能プロデューサーなんですが、今、中性的な子探してるみたいでして…」
「………」
「近々会って頂けませんか?」
男からは、爽やかな雰囲気しか感じない
けど、人を簡単に信じてはいけないのかもしれないし
簡単に疑ってもいけないのかもしれない…
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