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太一の時の様に
疑いを持ちながらそれに乗っかるのは危険だ
けど…
「………」
…あの、それは…
どういう事ですか?
どういう意図があるのですか?
上手く口に出して聞いてしまいたいのに
中々いい言葉が出てこない…
真っ直ぐ向けてくる男の目
その目は一点の曇りもなく、僕は疑念を持った自分の心が醜く感じた
「……」
僕が口を開くと同時に
男も口を開く
…ピンボーン
言葉を交わす直前に
チャイムが鳴る
「……」
先程までの空気が一気に変わる
僕は呼吸が浅かったことに今更気付く
男から視線が外れると、やっと解放されたかのように深呼吸をした
「…ちょっと待って下さい
これ、連絡先です」
男に背を向けて玄関に行こうとした僕を、男が呼び止める
反射的に僕は振り返った
男が差し出したのは、2枚の名刺だった
1枚は少し派手な装飾の名刺に
"神谷シン"と書かれていた
そしてもう1つは
芸能プロダクション名と
プロデューサーという肩書きの横に"森崎悠仁"という名前が書かれていた
「話は通してあるので、直接プロデューサーに連絡しても大丈夫です」
森崎悠仁の名前の下に
手書きで電話番号が書かれていた
「……え」
この用意周到さに、僕はまた混乱した
「あ、勿論気が乗らないのであれば
その名刺破棄して頂いても構いません」
僕の反応を察した男、シンは爽やかな笑顔を崩さずにサラッと言った
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