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振り返ってみると
そこには凌の後輩がいた
背は低いが僕よりは少し高く
幼顔にヤンチャさが残っている
顎まで掛かる少しウェーブした髪は、毛先に行くほど赤い
「……え」
……何で…
僕が驚いていると、男は苦笑いをした
「やっぱり覚えてないッスよね…
俺、ハイジと一緒のチームにいた、元宮類ッス」
「………」
「皆からモルって呼ばれてたんスけど…」
…おい、モル!
不意にハイジの声が脳内に響く
「……あ、」
「ハハハ」
僕の反応に安心したのか
モルは顔を綻ばせた
「…モルって、何で……」
「それはッスね…苗字と名前の最初を取って、"モル"
それと、何かあるとよく使われたり、生け贄的な…モルモットの"モル"」
明るくそう言ったモルは少し照れた様に笑った
「立ち話も何だし、何処かでお茶でもどうッスか?」
そう言われて特に用の無かった僕は、モルと近くのカフェに入った
やはり春休みという事もあって
私服の学生が多く混雑している
空いている席は、窓際のバーカウンターしかなかった
ざわざわと雑音の多い店内だったけれど
僕はそれほど気にならなかった
「姫は……」
僕の右隣に座ったモルが、言い難そうに口を開く
「チームがバラバラになった後、どうしてたんスか?」
「………」
「俺、特攻役だったし
チームの中で真っ先に捕まって、
んでやっと抜けて溜まり場に戻ったら
太一さんや太一さんを慕うチームの仲間がいたんスけど
……リュウさんにボッコボコにされてて…」
……え…
「訳わかんないうちに、俺は
今の愛沢さんとこに入れられて…」
…チーム?
凌は、ホストとかじゃ……
「…ハイジさんはよく、姫は関係ないからって言ってたから
まさか姫も愛沢さんの所にいるなんて思わなくて…」
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