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本当は
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レン「という訳なんで、俺達は1度失礼します。川上君が落ち着いた頃に戻りますので、そのまま撮影を続けてください。」
レンは俺を縛っていた紐を解き、ローターを引き抜いて抱き上げると、撮影をしていた教室から外へ出た。レンの背中から惜しむ声が沢山聞こえた。それを無視して外に出たが、そこにはたくさんの生徒達が集まっていて、すぐに囲まれてしまうこととなった。
俺は顔を隠すようにレンの胸に顔をうずめた。
こんな姿……こんなひどい顔…見られたくない。
レンは周りの生徒達の間を何とかかいくぐり、生徒会長室へ逃げ込んだ。一息つくと、俺をゆっくりベッドの淵に座らせた。
レン「大丈夫か?」
ハルキ「大丈夫な訳あるか!!こんなの…嫌だ…見られたくないっ…今すぐ止めさせろよ!!」
レン「……………それは無理だ。」
レンは理由を連ねた。
まず一つ目は、この学園の理事長が毎年生徒会で写真集を出すよう決めているから。
二つ目は、その写真集を求めてたくさんの企業や会社がうちの学校に出資してくれるから。
三つ目は、俺をレンのものだと見せつけるためだ。
ハルキ「理事長が………」
俺は開いた口が閉じられなかった。
そんな俺の体を抱きしめて、レンは続けた。
レン「………本当は……ハルキを生徒会に入れたくなかった。この写真集に出されることが分かっていたから…。だから……………お前を生徒会に入れたのは俺じゃない。」
え……?それってどう言う……。
生徒会は生徒会長直々に指名された人しか入ることが出来ないはず。なのに、レンは俺を選んでなかった……?じゃあ誰が俺を…?
レン「ハルキを入れたのは理事長だ…。お前が入学した時から目をつけてた。去年、理事長からハルキを入れるよう言われたんだ。でもその時は断った。そしたら、今年は早乙女くんや真鍋くん……ハルキの友人達を使ってハルキが入るよう仕向けたんだ。」
つまり……、レンはこの事には関わってなかったって事…?
でもなんで理事長が……?
レン「今年生徒会に入れないと………お前を退学させると…言われたんだ。」
そんなっ……
この高校に入るために俺がどれだけ勉強を頑張ったか、どれだけ親に迷惑をかけたか……それを思うと、たったこれだけのことで退学なんて絶対ダメだ…。
レン「ハルキ……理事長は来年、お前を生徒会長にする。そうなれば、理事長室に通うことになる。そこで何されるか……。俺がいなくなった来年では守ってやれない。ハルキが俺のことを好きだと認めてくれれば、俺は胸を張って理事長にハルキは俺のものだと言える。だから……1度でいいから……好きだと言ってくれ…」
レンは俺の両手を握りしめて、視線を合わせた。
鋭くも温かい、愛おしいレンの目……。
温かくて大きい手が俺の手を包み込む。それだけで、全身をレンに包まれているような安心感がある。
レン「ハルキ……」
ハルキ「わ、分かったよっ………す……す……す……///」
たった二文字なのに。この言葉だけが言えない。いつからこうなった?頭の中では言えるのに。心はもうレンに染まっているのに。口だけが俺の言うことを聞いてくれない。
顔が真っ赤になるのが自分でも分かる。
手も口も声も体も何もかも震える。
ハルキ「す………き……//」
もうダメだ。レンの顔が見れない…//
恥ずかしすぎる。これだけは言わないでおこうと決めていたのに……あんな酷いことをされてきたのも全部、俺を守るためだったんだと知れば誰だって……好きになるだろ……//
レン「……写真集の撮影は避けられない。でもこれからは容赦しない。俺の全身全霊をかけてお前を愛してやる。理事長やお前を狙っている他の生徒達が見たくなくなるくらい俺に溺れたお前を、写真集として出してやる。」
そう言って俺を抱きしめたレンの腰に、俺も戸惑いながらも腕を回して抱きしめた。
あぁ……好きって認めた途端、すごく気持ちが楽になってレンへの好きが溢れてくるみたい…。
こいつの全てが…好きだ…。
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