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オアシス
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暑い……
バッと起き上がると、俺は見知らぬ場所にいた。
しかも…なんなんだこの暑さは…
ってなんだこの服!!
真っ赤な布を体に巻き付けた、民族衣装を着せられ、両腕には黄金の腕輪が。
タハ「お目覚めですか……ハルキ様。」
ハルキ「タハ………。こ、ここは…?」
タハ「ムフタール王国の宮殿の中でございます。あの……ハルキ様……お体は大丈夫ですか?僕のせいで…」
ハルキ「あ、あぁ。タハのせいじゃねぇよ。気にすんな。…………ところでサイードは?」
そっと頭を撫でてやると、安心した顔で笑ってくれた。やっぱり笑うとまだまだ子供だな……。
タハ「サイード様は公務で出かけておられます。夕方にはお帰りになるかと……」
どうしよ……俺、携帯も持ってないし、ムフタール王国がどこにあるかも分かんねぇし、逃げようにも逃げらんねぇし……
ガチャ
サイード「帰ったぞ。」
タハ「お帰りなさいませ。お早いお帰りで……」
サイード「愛おしいハルキが待っていると思えば、忌々しい公務などすぐに終わらせられる。ハルキは私にとってのオアシスだからな。……おぉ…なんと美しい……お前の白い肌にはやはり赤の布がよく映える。」
ハルキ「俺、日本に帰りたいんだけど!」
サイード「ダメだ。お前はもう私の妃なのだからな。今夜には式を挙げて、正式に后になるのだ。」
ハルキ「そんないきなり!?俺まだ結婚出来る年齢じゃねぇし!!」
タハ「ムフタール王国では15歳から結婚が認められております。ハルキ様も立派な成人でございますよ。」
そ、そんなっ……
結婚とか……
そんなの考えてもなかった…
ハルキ「そ、そんなの俺は認めないからな!!」
サイード「無駄だ。お前はもう私のものだ。その証拠にリングをはめただろう。ほら。」
サイードは重なった布をめくりあげ、俺のそこにつけられたリングを見せた。
ハルキ「こんなの外してやる!!そうだ、最初からそうすればよかったんだ!こんなもの!!」
俺がリングに手をかけるのと同時に、タハが叫んだ。
タハ「ハルキ様っ!お止め下さい!!合意なしの婚約破棄は重罪に当たります!!お命の保証ができません!!」
っ………
タハ「さぁ。着替えに参りましょう…」
タハに促されるまま、俺は隣の部屋に移動した。その時にちらりと見えたサイードの顔には笑みが浮かんでいた。
そして俺は、純白の民族衣装に着替えさせられた。
サイード「…………やはり美しい……結婚すれば、完全に私のものになるのだ。他の男に足を開くことは許さない。いや、そんな事が出来ないくらい調教し直してやろう。」
サイードも純白の民族衣装を着て、王子らしく黄金を纏っており、ムカつくけどカッコよかった。
その時だった。
バンッ
レン「ハルキっ……帰るぞ」
ハヤト「こんなところで油売ってるとはね。」
サイード「お前達はなんだ。招待した覚えはないぞ。」
レン「こいつは俺のだ。」
ハヤト「サイード王子。いつもあなたのワガママに付き合わされていますが、今日だけは譲りません。その子を返してください。」
3人がそれぞれ火花を散らす。
俺は震え上がってしまい、タハの後ろに隠れた。
だって殺気しか感じねぇもん!!
あぁ、ここにいたらまずい。いや、むしろこれは絶好の機会かもしれない。
ハルキ「そ、そんなに俺が欲しいなら、俺を1番喜ばせた人にご褒美をやるよ!」
3人に振り回されてばっかりだったんだ。今回くらい振り回しても罰は当たらないだろう。
何を持ってきても全部断ってやるククク
ハヤト「なるほど。それは面白い。で、ご褒美ってなんなの?」
レン「そんなのもちろんハルキを独占する権利だろ。」
ハルキ「え?」
サイード「いいだろう。ハルキを1番喜ばせられたら良いのだな。」
ハルキ「え?」
な、なんか俺の話と噛み合ってない?!
なんか変な方向に行ってない?
別に俺自身が御褒美だなんて言ってねぇし!!
そして、勝手に、仁義なき男の戦いが幕を開けるのであった。
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