アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
婚約相手
-
事件は数日後に起こった。
ハルキ「ぇぇええええ?!婚約相手と会う?!」
ユウヤ「はい。来週…」
ハルキ「………えっと…相手はまだどんな人か知らねぇの?」
ユウヤ「はい。まだ……。噂ではプレイボーイだとか…」
ハルキ「そんな奴辞めちまえよ!ユウヤにはもっといい人がいるって!」
ユウヤ「でも…家同士で決まったことらしくて…」
ハルキ「家同士でって……そう言えば、ユウヤの家ってどこにあんの?いつも教えてくれねーし。」
ユウヤ「ハルキさんになら…教えてもいいですよ。でも、絶対に驚かないでくださいね。」
ハルキ「おう!そんで俺がお前の両親にもっといい人にしろって言ってやるよ!」
という訳でユウヤの家に来たんだが……
なんなんだこのバカでかい日本邸宅は!!
目の前は見渡す限り壁に覆われていて、中からは立派な松の木が覗いている。
正面の玄関、いや、門を抜けると、これまた立派な日本庭園が広がっていた。
男達「「おかえりなせいませ。若」」
ユウヤ「ああ。飯の支度をしろ。俺の友達だ。」
男「へい。かしこまりやした!」
いつもの礼儀正しいユウヤのイメージが覆っていく。話し方も態度も堂々として男らしい。
男らしいのは元々か。
むさ苦しい位の男達に迎えられ、さらに先へ進むと、やっと家らしきものが見えてきた。
ハルキ「あ、あのさ……ユウヤ……さん…」
ユウヤ「やめてくださいよ。ユウヤさんなんて。いつもみたいにユウヤって呼んでください。」
ハルキ「お、おう…」
まさかとは思うが…
ユウヤ「父さんと母さんに挨拶だけ…」
そう言って高級そうな襖をスパーンと開けると、中には和服に身を包んだ、いかつい夫婦が並んで座っていた。
ユウヤ「ただいま」
母「おかえりなさいユウヤ。そちらは?」
ハルキ「は、は、初めまして!ユウヤさんと仲良くさせてもらってます…かっ…川上ハルキです!」
父「そうか。君が。…………これからも仲良くしてやってくれ。」
ハルキ「は、ははははい!!」
な、なんだ。見た目ほど怖そうな人ではなさそうでよかった。ほっと一息漏らし、胸をなでおろした時だった。
男「組長!裏切り者を捕まえましたっ」
父「あ゛ァ?!すぐに連れてこい!」
男「はい!」
途端に目の色が変わった夫婦に、俺は腰を抜かしかけた。
ユウヤはそんな俺を連れ出して、自分の部屋に入れてくれた。
ユウヤ「すみません。父が驚かせてしまって。」
ハルキ「う、うん。お前ん家って…ヤクザだったんだな…」
ユウヤ「はい。黙っててすみません。このことがバレたら、友達が友達じゃなくなるんです。だから、みんなには秘密にしてたんです。」
ハルキ「そうか…流石に今の見ちゃったら何も言えないわ…」
ユウヤ「うちの両親怖いですよね。ハハハ汗」
自虐の笑みを浮かべたユウヤの表情はとても悲しげだった。こんなにも1人で抱えてたなんてな…
俺が1番近くにいたはずなのに、何も気づいてやれなかった。
ハルキ「べ、別に、お前まで怖くなったわけじゃねぇし…お前は友達だ。」
ユウヤ「ハルキさん……」
ドサッ
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
89 / 104