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「ん…」
朝小さな音の携帯のアラームで目を覚ます。
だるい身体を起こして時刻を確認するとAM6:05。
それだけ確認すると隣で寝てる男を横目に、着ていたパーカーを被る。
俺が動いても起きる様子もなさそうだ。
「…体力無さすぎ」
小さくそう吐き捨てると俺は軽く身支度をしてホテルを出る。
ここから家までが30分くらいかかるから、そこから学校行く準備して…お風呂は入れる時間はあるかな。
なんて考えながら歩いていると携帯が震えた。
「もしもし?涼?」
『…この時間に起きてるってことはまた朝帰り?』
「…さぁー、どうだろう」
涼の呆れたような声に曖昧な返事を返すと、電話の向こうから大きなため息が聞こえた。気がする。
涼はこっちの学校に来てからクラスが一緒で仲良くなった友達で、冷静沈着という言葉がピッタリの頼れる奴。
そして、唯一俺がこういう事をしてるという事を知ってる友達でもある。
『どうこう言うつもりもないけどさ、あんまり普段の生活に支障きたす事はすんなよ?』
「心配してくれてるの、やっさしー」
『茶化すな。動けなくなると怒るのは悠太郎なんだから』
「はは、それは勘弁。大丈夫だよ今日は」
『ならいいけど。…あんまり心配させんな』
「…ん、ありがとう。そしたらまた後でな」
通話終了の画面を見つめる。
「…心配、か」
俺の行動を知ってもなお友達で居てくれて、心配をしてくれている涼には頭が上がらない。
こんな生活、辞めた方がいいってわかってはいるはずなのに。
「あ〜…、誰か俺のこと拾ってくんねえかなあ、…なーんて」
誰もいない路地で空を見上げながら呟いてみた。
誰かに夢中になれれば、不特定な相手じゃなくてその人だけってなれば。
その人にすべてを任せてもいいって思えるような人がいれば…
こんな生活からも抜け出せるのかな。
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