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「すみません!中にお客様はいらっしゃいますか?!」
ビクッ
嫌悪感に襲われ気がおかしくなりそうな直前。
突然部屋のドアをドンドンと強く叩く音が響いて俺もユウトさんも驚いて動きが止まった。
…ホテルの人…?
「…なんすか?」
ユウトさんが俺の上から退いて、だるそうにドアに近づきドア越しに声をかける。
俺は力が完全に抜けてしまったのかうまく立てなくてその様子をベッドから見守っていた。
「この下の階で火災が発生しました。警報機がうまく作動せずお客様の避難が遅れています。急いでください!」
え、か、火事??
「は、火災?!どういう…っぐぁ!」
「ユウトさん?!」
ユウトさんが鍵を開けてドアを開けた、と同時にドサッと床に倒れ込むのが見えて俺は思わず声を上げた。
え、何、何が起きたの…?
火災?なら、早くホテルから出なくちゃ…
ふらつく足でベッドから降りようとしたその時
「…なーんて、そんなの嘘に決まってんじゃん」
明らかにユウトさんではない声に身体が強ばる。
「っ…かは…っ」
「こんなんで騙されてくれてありがと」
さっきのホテルの人の声と同じような、でも少しさっきより低い声。
混乱する頭でぐるぐると色んなことを考えるけどうまく動けなくて俺はユウトさんの先にいるであろう人影に息を飲んだ。
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