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レオンさんが出勤してきた。
のに、レオンさんはカウンターの向こうに立ってから一度もこっちに来なかった。
というか…来れなかった。
「レオンくーん!おかわりぃ!一緒に飲も!」
「ショット?瑠夏さん飲み過ぎ、彩菜さんも」
「大丈夫大丈夫〜!頼まないとレオンくん違うテーブルいっちゃうじゃーん」
「レオンくんのお給料のため!」
「はは、それオーナーに言ってもらえます?もっと僕の給料上げろーって」
「ライトさんー!レオンくんのお給料あげろー!」
「あげろー!」
「おいおい、お客様巻き込んでクーデターを起こすな」
(ホストかここは…)
レオンさんが出勤してきたと同時に女性の団体客が入ってきて完全にそっちに捕まっていた。
「…レオン捕まっちゃって全然こっち来れないね、話したかったんでしょ?変わってこようか?」
ライトさんが小声で俺に気を使ってそう言ってくれたけど
「いえ、仕事の邪魔はしたくないし、あの人たちだいぶ上客みたいなので俺よりそっちの方相手しててください」
「…健気だねえ」
確かに話したいけど、わざわざ呼んでもらうのは申し訳なかったし、最悪もういることはわかったから出直せばいいやと考えていた。
でも…さっきレオンさんが「俺のシフト伏せといてって言ってるじゃないか」って、言ってたってことは。レオンさん目当てで来てる人は、いつくるかもわからないのに遊びに来てるってことだろうか。
それだけ人気ってことなのか…
そんなことを悶々と考えながらライトさんが新しく出してくれたカクテルを飲もうとグラスを持ち上げた。
口に付けようと思ったグラスはそのままひょいっと上に消えていってビックリして顔を上げると呆れたようにさっきまで持っていたグラスを片手にレオンさんが立っていた。
「レ、オンさん…っ?!」
想定外のことに言葉が上手く出てこなくてたどたどしく名前を呼ぶ。
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