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「なんで、こっち」
「オーナーにちょっと押し付けた」
ちらっと横を見れば今度はライトさんが絡まれていて大変そうだった。
レオンさんもやっぱりずっと相手するのは疲れるのか…?なんて考えていると明らかに不機嫌そうな顔で「それで、なんでいるの?」と言われた
「僕言ったよね?もうこんな所きちゃだめだよって」
あ、やばい。
俺が会えて気持ちが高ぶってるのとは対照的に、明らかにその声は怒っていた。
「また痛い目あいたいの?」
「…ごめんなさい、でも…だって」
「だって何、?」
少し不機嫌そうな声に気持ちが萎む。
…なんだよ、だってしょうがないだろ…
「…っだってレオンさんがあんなキスするから!」
思ったより大きな声か出てはっと慌てて口を抑える。
レオンさんも驚いていた。
周りを見るけどみんな自分の所に集中してるみたいで聞こえていなかったらしい。
恥ずかしい…何言ってんだ俺。
「…僕の事、忘れられなかったの?」
恥ずかしさで俯いていると上から優しい声がして、その質問にこくんと小さく頷くことしか出来なかった。
忘れられないから…会いに来たんじゃないか。
「そう、…可愛いね、なごみくん」
「…えっ、なんで名前」
さっきまでの張り詰めた空気がなくなってふわりと柔らかい雰囲気のレオンさんに気が抜けた。
学生証を見たとしても和にフリガナがふってなくて、「なごみ」と一発で読まれることはほとんど無くて大体の人間には「かず」と呼ばれることが多かった。
カズという人格もそこから生まれた。
「こんなとこふらつくのに本名名乗る訳ないでしょ?カズくんって呼ばれてるのこの間聞いて、学生証みて漢字が和ってわかったから、そうかなって。当たり?」
「…はい、当たりです」
本名を名乗ろうか迷ったけれど、レオンさんには言ってもいいかなって思った。
というか知って欲しかった。
「じゃあ、僕の名前も教えてあげる」
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