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『触るの禁止』
そう言ったのは俺だ。
だけど…連絡するななんて言ってない。
(今日も連絡なし…)
部活が終わってスマホを開くけどメールが何件かと友達からLINEが入ってるだけ。
夏休みに入ってから玖音からのLINEが来なくなった。
元々そんなに連絡が多い人じゃなかったから最初は気にしてなかったんだけど一週間も何もこないと、ちょっと気になってしまった。
俺から連絡すればいい話なんだけど、なんかそれも負けたみたいで嫌だった。
自分から触んなって言って、連絡したいなんて、自分勝手だ。
変な意地をはって俺は連絡はしなかった。
けど部活に明け暮れる毎日だったから気は紛れたし、試合前だから余計なこと考える時間もなくて、遂にインターハイ当日を迎える。
結果はベスト4まで進んで敗退してしまったけど、とても充実して楽しかった。
インターハイが終わると次はウィンターカップで12月までは何も無い。
ここ連日みんな練習で詰め詰めだったけど、休めることも大事だということで夏休みの部活動もそこまで詰まることもなくなった。
そうなると考えてしまうのが…玖音の事。
朝なんとなく目が覚めてしまって特にすることもなくうだうだベットの上でスマホを弄る。
夏休みが始まってもう三週間も経つのに一切なにもない。
「何でなんも連絡こないんだよ…」
思わず漏れた言葉が女々しくて笑える…
…やっぱり触るなって言ったの怒ってるのかな。
そして一つの嫌な考えが頭を過ぎった。
(…俺にもう飽きた、とか…)
ドクンと心臓が鳴る。
玖音にとって俺はペットだし、いくら優しくされても抱かれたとしても恋人なわけじゃない。
俺らはセフレだってことは充分理解してるつもりだ。
セフレという関係で、一切何も無いのはつまりそういう事なんじゃないか…?
あんだけ好き勝手やって?
散々俺のこと掻き回して…今更。
まさかと思ったけど、一度そういう思考に走ると全部嫌な想像に繋がってしまう。
そんな事ない…はず、きっと…
そう言い聞かせるけど一度生まれてしまった不安はじわじわと広がっていく。
自分がどれだけあの人に囚われてるか、俺達がいかにもろい関係だったのかを思い知らされてるみたいだった…
ふとこのあいだ借りてた(というか着せられてた)玖音のスウェットが目に入る。
返そうと思って用意してたのに全然会ってなかったからそのままだった…
また俺変態くさいことしてる…
そう思いながら腕を伸ばして引き寄せて顔を埋める。
微かに玖音の匂いがして胸がぎゅぅってなった。
…触りたい。
触ってほしい。
もうしばらく性行為をしてない身体は思ったよりも溜まってたみたいで甘い香りにムラムラした気持ちが湧き上がる。
多少の欲求不満と同時に心が締め付けられる切なさに襲われる。
…寂しい、
そう思った。
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