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ぎゅうっとスウェットを抱き直す。
「…はぁー…俺何やってんだろ…」
俺…玖音に会えないの寂しいって思ってんのか…
自分の気持ちに気づいて女々しくて笑える。
けど寂しいなんて素直に言える柄じゃない。
…会いに行きたい。「和くん」って名前を呼んで甘やかしてほしい。
これじゃまるで…
♪♪♪〜
「わああっ?!」
突然鳴り響くスマホにベットからずり落ちる。
…マンガか…
身体を起こしてスマホの画面を見て首を傾げる。
…知らない番号。誰だろう。
とりあえず出てみる。
「…はい、もしもし…」
『あ、もっしー?和くん?』
…この声は
「……なんで俺の番号知ってんすかライトさん」
はあ、とため息をつく。
この人は…なんだもっしー?って…JK(偏見)
『お〜よく俺だってわかったね』
「はい…、じゃなくて、なんで電話知ってんすか」
『玖音の携帯からちょーっと拝借してきた』
「…はあ、」
…つまり無断で携帯の中見たってことですか。
なんだ、普通に働いてるんだ…俺に会わなくてもさほど気にしてないって感じか…
ちょっと虚しくなる。
『元気ないね、玖音と喧嘩でもした?』
いきなり核心を突かれてドキッとした。
別に喧嘩したわけじゃないけど…
「喧嘩なんかしてないです」
『そう?最近一緒のとこ見ないからどうしたのかと思った』
「別に元々そんなに仲良くないですし…」
言ってて自分で落ち込んだ。
ああ、普通の友達ならきっとこんな風にもやもやしたりしないのに。
『…今日遊びにおいでよ、玖音にはナイショで』
「え…、いや、それは…」
『最寄りまで迎えに行くし、お互い変な意地張ってると後で後悔するんじゃない?』
…なんでわかるんだよ。
きっと、玖音から何か話を聞いたわけじゃない。
おちゃらけて見えるけどちゃんと相手の事観察して理解して話してる、前に行った時にライトさんはそういう人だと思った。
多分俺の電話越しでの会話だけでも何かあったと察されたのだろう。
『あいつ最近イライラしてるからさ、俺を助けると思ってさ。ね?』
なんでイライラしてるのかは考えたくない。
自分から連絡する勇気もないし、このままだと会えないまま夏休みが終わってしまう気がした。
…会いたい。
「……はい…」
『うん。じゃあ待ってるね。買い出しも付き合って』
「…また荷物持ちですか?」
電話越しに笑うライトさんの優しさにくすくす笑った。
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