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最初は独特な雰囲気に惹かれて、身体を重ねて、身体だけの関係のつもりだった。
でも段々玖音の言葉とか仕草とかに心が反応するようになってて、今も避けられてる事実を突きつけられると苦しくて。
…きっとそれだけじゃ、その関係じゃ足りなかった。
じゃあ、何になりたいの…?
「ねえひとり?」
「……えっ」
思い耽ってて気づかなかったけどいつの間にか隣の席に男の人が座ってた。
スーツを着たサラリーマンっぽい人。
あんだけ遊び歩いてたからなんとなくわかってしまう。
ただ一緒にお酒飲みに声をかけた訳じゃないってこと。
きっと、そっちも行ける人だってこと。
「いや…えっと…」
周りを見るけどライトさんも玖音もお客さん相手にしてて気づいてない。
どうしよう…
「…すみません、一人になりたいので」
とりあえず適当に理由をつけて離れようとした。
けどさり気なく背中を撫でられて腰に腕を回されて思わずびくって身体が反応した。
「いいじゃん、少しくらい付き合ってよ」
「は、離してください…」
こ、こいつ…めちゃくちゃ触ってくる…
いくら言ってもやめなくて段々イライラしてきてキレそう…
「っ、だから!!今そういう気分じゃ…!!」
我慢出来なくなって声を上げた瞬間。
パシャッ
「?!」
軽い衝撃に目を瞑って冷たいものが頬を伝って服に染み込んでく。
顔からポタ…っと雫が滴り落ちてきて俺は固まってしまった。
俺を触ってたリーマンもびっくりして固まってた。
「申し訳ありません。手が滑ってしまいました」
カウンター越しにグラスを片手ににこっと笑う「レオンさん」がいた。
…え…
この騒動にライトさんが気づいてバタバタと駆け寄ってくる。
「ちょ、大丈夫?!お隣のお客さまも…」
「あ…ああ、俺は大丈夫…」
そんな話を横手してる間に玖音がカウンターから出てきて俺の腕をぐいっと掴んだ。
「わ、ちょっ…っ」
「タオルあっちにあるのでどうぞ」
「待って…く…」
玖音、と呼び掛けて慌てて黙り込む。
一瞬目が合ったけど素の表情で…明らかに怒ってた。
そのままぐいぐい腕を引っ張られて裏に連れ込まれる。
ぽかんと残されたサラリーマンとライト。
「…お客さま、大変失礼しました。お代は結構ですので」
「あ、ああ…」
呆気にとられてるその人を横目に苦笑いして「わかりやすく嫉妬しちゃって」と呟いた。
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