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(み、見られた!)
「ラ、ララ…っ!」
「……ちっ」
こんな半裸で今にもキスしますみたいな雰囲気の所をライトさんに見られて慌てる俺と思い切り舌打ちする玖音。
「空気読んでくださいよせっかくいい所だったのに」
ぐいっと抱き寄せられて肩に顔が埋まる。
(ちょ、ちょ…!ライトさんいる…!)
もがくけど離してくれなくて一人で大パニック状態。
けど玖音もライトさんもたいして気にしてないらしく淡々と話を続ける。
「お前ねえ…さっきサラリーマンのお代お前の給料から引いとくからな」
「セクハラ親父の飲み代くらいすぐ取り返しますよ」
「強気じゃん。機嫌直ったみたいだし?」
「どうせ俺のおかげとか思ってるんでしょ。…ほんとお節介」
「ん〜何のこと?」
へらっと笑うライトさん。
な、なんだ…?
玖音がはあ、とため息をついて不満そうな顔をした。
「…この件に関してはお礼を言いますけど、だからってベタベタしないでもらえます」
「えっ、…っん…!」
ライトさんに見せつけるように俺を抱き抱えてさっき噛まれた肩にちゅっと吸い付く。
それでやっとわかった。
ライトさんに肩抱かれた時に触られた場所、だから噛み付いたんだ…
独占欲だと気づいて頬が熱くなる。
「や、やだ…っ玖音…ッ」
嬉しいけど、嬉しいけど!
見られながら痕付けられるなんて恥ずかしすぎる…っ!
一生懸命身体を押し返すけど全然力入らなくて、肩に噛み跡と何度も吸われて紅い痕が残る。
嫌だと思っても触れられればそれまで。
身体が悦んでるのがわかる、淫乱で浅はかな身体。
けどそれでもいい、もっとして…
服の裾をぎゅっと握ろうと手が動く。
「やーめーろ」
「いった…」
止まらなくなりそうな雰囲気にライトさんのげんこつが玖音に落ちた。
そしてずるずる引っ張られていく。
あ、危なかった…止めてくれなかったらそのまま流されてるところだった。
「和くんはとりあえず顔洗っておいで。タオル自由に使っていいから、落ち着いたら出ておいで」
「あ…は、はいっ」
「ちょっと」
「お前は仕事!」
不機嫌そうな玖音をずるずる引っ張って行く。
あ、俺まだ…
「あ、あの!ライトさん!!」
「うん?」
「…ありがとう、ございます!」
正座に座り直して頭を下げる。
ライトさんが声かけてくれなきゃこの夏休み一度も会わずに終わってたかもしれない。
本音も言えずに終わってたかもしれない。
自分の気持ちに気づいてしまった今…そんなの耐えられない。
だから、きっかけを作ってくれてありがとうございます。
伝えたいことは沢山あるけど全部は言えないからそれだけ、心を込めて伝える。
多分それでわかってくれた。
にこっと微笑んで「どういたしまして」って言って店に戻って行った。
腕に玖音を抱えながら。
しーんと静かになった部屋で考える。
ぎゅっと肩を押さえる。さっきまで触れられてた所。
心臓がドキドキしてる。
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