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もう気付かないふりをするのも無理だ。
玖音が好き。
身体だけと思ってたのに好きになってしまった。
今まで男とセックスはしたことあったけど男を好きになったことはないから戸惑った。
身体だけじゃ足りない、心も繋ぎたい…
けど、この気持ちは伝えちゃダメだ。
言葉で言ってしまえばきっと離れていく。もうそばにいれない。
それならいっそずっとこのままでも…いい。
ぎゅうっと肩を抱きしめて無理矢理気持ちを押し込める。
俺は、ペットだから、それ以上は望んじゃだめ…
自分に言い聞かせて顔を上げる。
大丈夫、出来る。
洗面所に行って顔を洗う。
鏡に映る自分をみてパンパンと両手で頬を叩く。
「…よし」
気合を入れて控え室を出てカウンターを通って裏に行ったから静かに店の中に戻る。
「レオンくんもう一杯〜!」
「ありがとうございます。じゃあオリジナルカクテル作らせてもらいますね」
「きゃあ〜!やったあ!」
めちゃくちゃ笑顔振りまいて愛想良くお客さんの相手してる玖音がいた。
…誰アレ。
あ、玖音じゃなくて「レオンさん」だからか。
「仲直り出来て良かったね」
「…ライトさん」
「まさかあんな仲だとは思わなかったけど」
「あっ、あれは…」
横に立つライトさんがニヤニヤしながら俺と玖音を交互に見る。
顔が熱い…
「レオンくん今日なんか機嫌いい?」
「そうかもしれないです、いい事あったんで」
遠くでそう言ってる玖音と目が合った。
ほんの数秒だったけど、確かに俺を見て意地悪そうに笑った。
「…っ…」
赤い顔が更に赤くなる。
…やばい、隠せないじゃんこんなの…
好きだと自覚してしまったから、今までどう普通にしてたのかわからない。
「二人は付き合ってるの?」
けどライトさんのその質問にすっと体温が引いた。
「……付き合ってないです。…きっとそうなることもないと思います」
情けないことに声が震えた。
「和くん…?」
「俺は所詮ペットですから」
笑って見せるとライトさんはなんとも言えない顔をしていた。
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