アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
夏休みが終わって久しぶりの教室。
「おはよーっす!涼!!英語の課題見せてくれ!!」
「明けからいきなりそれかよ…」
「頼む!!今日帰りなんか奢るから!!」
「はいはい」
教室に入ったらいつもみたいに悠太郎が涼に宿題を見せてもらってる光景。
なんだか懐かしくて思わず笑ってしまった。
「あっ!和おはよ!!宿題やったか?」
「おはよう、とりあえずわかる所は全部埋めたよ」
「うーわー!裏切り者!!」
大げさにリアクションをして自分の机に向かう悠太郎。
俺も自分の席に座って提出しなきゃいけない課題やらを机の上に広げる。
「なあ和」
「んー?」
後ろの席の涼がするっとうなじを撫でた。
「お前ここキスマーク付いてるぞ」
「えっ?!」
思わず立ち上がってパッとうなじを押さえる。
うなじ?!
い、いつのまに…?!
顔が赤くなっていくのを見て涼が「ほお」と少し笑った。
「詳しく聞かせろよ」
「え、あ…っ、いや…」
「キスマーク付けさせるなんて珍しいじゃん、恋人でもできた?」
俺の行動を知ってる涼は俺が見えるところに痕つけられるのを嫌がる事を知ってる。
だから恋人でもできた?って聞いてきた。
ぎゅっとうなじを押さえる。
(…いつ付けたんだよこんなの…)
告白すらさせてもらえなかったのに、…なんで。
「…和?なんで涙…」
「…え…」
そう言われて自分が泣いてることに気づいた。
慌てて涙を拭う。
「ごめ、何でもない…」
いきなり泣き出すなんて変に思われる…
涼はしばらく何かを考え込んで少し離れた席の悠太郎に声をかけた。
「悠太郎、今日放課後遊び行くのなし」
「えっ?!何でだよ!」
「急用」
そう言って俺にひっそり耳打ちしてきた。
「悠太郎いたら話せない事でしょ?」
「……」
「聞いてやるから、泣きやめ」
ぶっきらぼうに制服の裾で顔を拭いてくれた涼。
なんでいつも困ってる時助けてくれるんだろう…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 265