アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
「一つだけ聞いていい?」
俺が話す間ずっと何も言わずに聞いてくれてた涼がやっと口を開いた。
「その相手って、真白くん?」
「な、んで…」
全然繋がりのない二人だからまさか名前が出てくると思わなくて動揺してしまった。
つまりは肯定してしまったんだけど…
くすっと笑って「和はわかりやすいから」って言われた…
そ、そうなのか…
「俺的には和が特定の誰かつくるのすげえ安心するけど、ちゃんと幸せな恋して欲しい」
そう言われて
俺が遊び歩いてることを思ってた以上に涼に心配をかけてしまってたことにやっと気づいた。
「正直今の和が幸せには見えない。…けど好きなんだろ?」
「……うん」
ごめんな涼。
心配してくれてるのに、結局自分の想いに逆らうことは出来ない。
「諦めろなんて言わないけど、まあ…本当に辛くなったらやーめたってやめてもいいんじゃない?」
そう言いながらデンモクの機械をピコピコ弄り始めて、トレンドの曲が流れ始める。
そして俺の横にどかっと座って背中を叩かれた。
「いてっ」
「俺も悠太郎もお前の味方だから。いつでも助けてやるよ」
そう言いながらマイクを持って歌い始めた。
涼はカラオケ自体苦手だからあんまり歌ってるとこ見たことなかったからちょっと驚いた。
きっと俺を元気づけるために
「……ありがとな」
「あー?何ー?」
「何でもない!俺も歌う!」
空いていたマイクをとって一緒に歌った。
それから三十分もしないうちにバァン!とカラオケのドアが開いて悠太郎が飛び込んできた。
「おいお前らだけでなに遊んでんだよ聞いてねえぞ!!!」
「…なんで悠太郎?」
「俺が呼びました〜」
驚いてる涼ににひっとピースサインをする。
「涼〜!!お前なに仲間はずれにしてんだよ!!寂しいだろ!!」
「あーうるさい。たまには二人で話すこともあるの」
悠太郎が参加してきて三倍ぐらい騒がしくなる室内。
友達と遊ぶのなんて久しぶりで
楽しくて声出して笑ったのなんていつぶりだろう。
その後も騒ぎまくって三人でご飯食べに行って夏休みの話をしたりした。
涼の包容感と悠太郎の明るさが
今はとても心地よかった。
(…二人ともありがとう)
帰り道後ろで二人の背中を見ながらそう思った。
「…真白くんか」
「え、何?ましろ?ましろって真白玖音のこと?いつのまにか涼も友達?!紹介しろよ!」
「友達じゃないし」
少し離れたところで着いてきてる和を見る。
やっぱり少し元気がない。
…あんな顔させたくないのに
「…仲良くなる気もないよ」
眼鏡の奥の目が鋭く光った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
101 / 265