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少しだけ覗いた目に捕らわれて
玖音のいつもの得意げな顔と目が合う。
「いいよ。一緒に回る?」
「…え…」
…え、
…えええ?!
「な、なんっ、なんで?!」
「何でって」
伸びてきた腕に髪を撫でられる。
「和くんがしたい事とか嬉しい事はわかっちゃうから」
「…っ」
顔が熱くなる。
ほらまた、そうやって離れさせてくれない…
絶対確信犯だ…
「楽しみだね当日」
「……ん…」
されるがままに頭を撫でられて逆の方を向いて顔を隠す。
どうしよう、
こんなめちゃくちゃ嬉しいなんて顔見せらんない。
♪♪♪〜
「っと…、…ごめん、ちょっと時間かかる電話だから行くね」
「あ、うん…」
玖音が携帯画面を確認するとそう言って頭をくしゃくしゃにされて階段を登っていく。
「文化祭、どこ回りたいって決めておいてね」
折り返すところで軽くウインクをしてそのまま消えていった。
「…だから男に色仕掛けすんなよ…」
誰もいなくなった廊下でくしゃりと頭を抱える。
そして一つの決意をした。
もうやめよう。
好きだと伝えることを。
諦めるわけじゃないし嫌いになりたいわけでもない。
ただ、ずっと自分の中で想うだけ。
それなら玖音を困らせることもないし、
きっと捨てられることも無い。
飽きられなきゃの話だけど…
前に飽きないって言ってくれた言葉を信じてる。
リスクを犯してまで今の関係がなくなるのであれば、
このままの方がずっと大切にしてもらえて幸せなんじゃないかな。
そういう考えに行き着いた。
そういう形の恋だってありだよな…?
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