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そして準備に追われてバタバタしてるとあっという間に文化祭当日を迎える。
一般公開もやるからみんな売り上げ立てようとがっつり気合入ってる。
まあ黒字だったらこの後の打ち上げの経費に回せるしな…
おかげでクラスの普段特に棘のない女子たちが鬼と化してる。
「黒田くん生地まだ?!」
「今やってるから!」
「まさかこんなに売れるとはねえ…生地係と焼く係り分けといて正解だわ…」
「どんどん無くなるから早く作ってね!出来たら窓からクラスの誰かに渡して!!」
「はいはい…」
まじこういう時の女子って怖え…
シフト分けで悠太郎と涼と離れてしまって、しかも男子が少ないところの時間帯に割り当てられてしまったから肩身が狭い…
まあ外で鉄板で焼く係りじゃないから比較的楽ではあるんだけど、さっきから永遠と粉と水をかき混ぜて材料と混ぜての繰り返し。
あと20分だし…頑張るか
調理教室でカショカショと泡立て器で混ぜまくる。
「何してーんの」
「え、っわぁ?!」
ぼーっと下を見てたら視界が少し暗くなって、顔を上げたらだるそうに看板を片手に持った玖音がいた。
「屋台の方見に行ったけどいないから探しちゃった」
「あ、そ、そうなんだ…」
なんか玖音と目が合わせれない…
だって、なんか今日いつにも増してかっこよくないか…?
学校の時は無造作な髪がコテで巻かれたのか少し猫っ毛ヘアになっててふわふわしてて、いつもの仕事の時とまた違う雰囲気で見慣れない。
服もクラスの衣装なのか黒のジャケットを着てて大人っぽく見えた。
「玖音なんか今日…雰囲気違うね?」
「ああ…なんかクラスの女の子たちに勝手にヘアメイクされた…この髪型和くんみたいだよね」
指先でくるくると髪の毛を弄りながら「ね?」と笑いかける。
うわ…っ
なんか胸がきゅうってなって目をそらす。
どうしようかっこいい…ありがとう玖音のクラスの女子!
謎に心の中でガッツポーズをする。
「真白くん!客引きサボんないでよ〜!」
「うん、今行く」
教室の外で玖音と同じような格好をした女子が声を掛けてきた。
ちらっと看板を見ると『カフェBAR』って書いてあった。(もちろんジュースのみ)
…めちゃくちゃ本業じゃんこの人…
「和くんのシフトもう少しだよね」
「あ、うん…」
「終わったら僕のクラス来てね」
くしゃりと頭を撫でられて去っていく。
教室を出たら玖音の後ろをほかの学校の女の子たちがついてまわってた。
「めちゃくちゃイケメンですね!」
「そんなことないですよ」
「きゃー!かっこいい!」
キラキラ笑顔振りまいてお客さんをあれよあれよと引き連れてく…
…なるほど、あれは客引きにして正解だ。
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