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俯いてぎゅっと手を握りしめる。
今顔をみたらきっと泣いてしまう。
「じ、じゃあ…っ俺…教室戻るね…っ」
一方的にそう告げて教室を飛び出す。
「っ、待って…!」
後ろで呼ぶ声が聞こえたけど無視した。
無視して走った。
走って、なるべく遠くに行きたかった。
ああ…バスケ部で良かった…
なんて考える自分に笑ってしまった。
ドンッ
「いてっ!!なんだぁ?!…あれ、和じゃん」
「和?」
前を歩いてた人に思い切りぶつかってしまった。
けど声で誰かわかった。
悠太郎…涼…
なんでこいつらにぶつかるんだ…
いや知らない人にぶつかるのも気まずいけどさ…
甘えられる人に今会うのは…きつい…
「っ…ひく…ッ」
「え…お、おい?!どした?!痛かったか?!」
「うう…っ違…っ」
「な、泣くなよ!!ちょ…ええ…っ?!」
「とりあえずここじゃあれだから…控え室戻ろ」
いきなり泣き出した俺に
悠太郎があたふたしながら背中を撫でてくれて
涼が肩を貸して泣かせてくれた。
男子高校生がこんな人前で泣くなんてみっともない…
二人に連れられてクラスに割り当てられた教室に戻って俺が落ち着くのを待ってくれた。
悠太郎がいつも奢ったりなんかしないのに俺の好きなコーヒー牛乳をめちゃくちゃ買ってきてくれたのに笑った。
ガキか俺は…
けど素直にその優しさに甘えた。
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