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それぞれの思い(涼side)
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「…君は…」
やっぱり帰るつもりしてたのか…
真白のクラスの控え室の前で張ってたら案の定彼が来た。
…和ほっといてそのまま帰る気かよ
ふざけんな…
「和くんとよく一緒にいる友達だよね?名前は…」
「覚えてました?紺野です」
「うん。いつも一緒にいるから」
にこっと笑う顔にふつふつと怒りが溜まってく…
…その作った笑顔みたいなの嫌いだった
「和に何したんですか」
面倒臭いから単刀直入に聞いた。
そしたらすっと笑顔が消えていく。
「和が男関係持ってるの知ってるんで気にしないで話してください。アイツに何したんですか」
「……意外とズカズカ来るんだね」
俺がこんなキャラなのが意外だったのか困ったように笑って「ここじゃなんだし外出ようよ」と歩き始めた。
屋台で盛り上がってる声がうっすら聞こえる、裏門の門。
…なんでわざわざこんなとこ…
まあ、好都合かな…
「アンタ和の何なわけ、恋人?」
「恋人じゃない」
「じゃあ何、セフレってやつですか?」
「それも少し違うかな…」
恋人ってことは全否定かよ。
和の気持ちわかってるくせに…ほんと腹立つ。
「和の気持ち知ってますよね」
「……」
「散々弄んで、泣かせて楽しいですか?」
「…違」
「アイツが優しくてアンタのこと想ってて拒みきれないってわかってるから、都合のいいセフレ程度にしか思ってないんでしょ」
「違う」
めちゃくちゃに嗾けてやろうと思ったのに、
強い目で、声で
ハッキリと否定してきた。
…は…?
どういうこと、セフレに思ってないなら…
…もしこいつも、和のこと好きなら…
考えたくない結論に至る。
「…じゃあなんで言わせてやんないんですか」
「……」
何で黙るんだよ…っ
…あー…イラつく…!!
「…ふざけんな!!」
「っ」
思わず襟元を引っ張ってしまった。
「アンタが何考えてんのか知らないけど、和傷つけるようなことするなら絶対許さない」
きっと睨みつける。
でも和が好きなのはコイツだから、
泣かせるのも、喜ばせるのも、きっとコイツじゃないと出来ない。
それが…
「…頼むから、幸せにしてあげてくださいよ…」
ぐっと手に力を入れてそう頼むことしか出来なかった。
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