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戸惑ってる玖音をぎゅうっと抱きしめる。
子供をあやすみたいに頭を撫でて、安心させてあげたかった。
…ペットが生意気だ、なんて言われちゃうかな…
でもごめんね、
離してあげれない…
「…大丈夫、大丈夫だから…」
よく玖音が俺にしてくれるみたいに髪をくしゃくしゃにして撫でる。
しばらくそうしてたら「…はは」と笑い声が聞こえて背中に腕が回ってぐっと抱きしめられた。
「…調子狂うな、ほんと」
腕の中から顔を上げて俺を見上げて笑う顔にドキッとした。
(…俺だってお前に出会ってたから、色々狂ってるよ…)
今まで誰かを想ってこんなに悲しくなったり、泣いたりなんてしなかったのに。
こんなに好きになるつもりもなかったのに。
泣きそうになって抱きしめてる腕の中にいる人の肩に顔を埋める。
それに応えてくれるみたいに小さく笑って頭を撫でてくれた。
玖音に撫でられるのが心地いいものになってしまった。
…やっぱり好きだなあ…この人が好き
悔しいけど…
「…和くんと出会った最初の頃はね、可愛くていい男の子捕まえたなと思ってた」
唐突に玖音が話し始める。
どうしたんだろう…
「…うん」
「すげえ可愛くて素直で、手放すのは惜しいなって思ったからペットなんて鎖で繋いでおいて、自分だけのものだって思ってた」
「…う、ん」
「けど…自分のものだって言いながら、君が言おうとした言葉は聞かなかった」
あの日の…好きって言葉だろうか
言わせてくれなかった、俺の本音。
「怖くて聞けなかった。聞いたらきっと抑えが効かなくなりそうだから…狡くて卑怯な男でしょ?」
そう言って眉を下げて笑った。
…??
ちょっと待って?
怖くて、ってなんで?
抑え…って?
「言わせたくないくせに離したくないから身体で繋ぎとめて、何度も抱いて僕から離れられないように…なんてめちゃくちゃ卑怯なこと思って。和くんがそれで傷ついてるの知ってたのに」
え、え…?
俺も同じことを思ってた。
離れたくないから、身体だけでも繋いでいれば…って思ってた…
「本気にならないようにって思ってたのに、オーナーの言う通りもう遅かった。僕のせいで傷つけてるって思うと情けなくて悔しくて、…僕にそんな資格ないけど、幸せにしてあげたい…ううん、僕が和くんのそばにいたいだけだけど」
何を言ってるのかわかんない…
どういうこと?
それじゃあまるで…
「今更って思うかもしれないけど、聞いて」
何も言えない俺をしっかり見つめて、
繕ってない、素の笑顔で笑う。
「和くんが好き」
そう言って優しく触れるだけのキスをされた。
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