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次の日。
デートだって言ったのに服が見慣れたパーカーすぎたから「あててやるから服見せて」って言ったらクローゼットの前に連れられて開けた先を見る。
「…玖音、服これしかもってないの?」
「んー多分」
目の前の衣装ケースを見て唖然とする。
この無駄に広い部屋のクローゼットに見合わないたった二つの衣装ケース。かかってる服もスカスカだった。
…そういえば普段着あんまり見たことなかったし、仕事帰りほぼ同じパーカー着てるもんな…だからヨレヨレなのか
まあ制服か仕事着でいることがほとんどだからそんなには必要ないと思うけどこれは少なすぎる。
決めた。
「よし、服買い物にいこう」
今日のプランは玖音の服選ぶことにしよう。
アクセサリー沢山あるクセに合わせる服が少なすぎる…
「僕ブランドとか知らないよ」
「いつもどうしてたの」
「実家からたまに送られてきたり、お客さんから差し入れで貰ったり?」
衣装ケースの隣にあるダンボールの山を指さしたから中を覗いたらおそらく差し入れで貰ったであろう服が綺麗に袋のまんま入ってた。
しかもまあまあそこそこのジャケットとかニットとか普通に玖音に似合いそうなものが沢山。
…もったいねえ…
「ほら!これあるだろ!こっち着ろよ!」
いつものパーカーを着ようとしてるのを阻止して袋から開けて渡す。
背丈…はちょっと違うけど、足長いからスタイルいいし顔もいいから素材いいのに当の本人が興味なしだもんな…
生活感ない理由がなんとなくわかった気がした。
ファッションとか好きな俺からしたらこんなに服貰えるの羨ましすぎるのに…
「これ大きくない?」
「そういうデザインなの!」
ワイドパンツを大きいという知識の乏しさが…
ある物とダンボールの中のものから適当にパッパとコーディネートして着させた。
ワイドパンツにブルゾンとパーカー、靴まで入ってたから一式揃えられた。
玖音の雰囲気からモノトーンのものが多くてお客さんたちもセンスあるもの選んでるのに使われてないの可哀想すぎる…
「どう?」
全部着てくるっとその場で回転してにこっと笑う。
うん、やっぱり格好いい。
みなさんセンスがある。…ていうかこんなにあるなら買いに行くんじゃなくて玖音に興味持ってもらわないと意味無いか。
「似合ってる」
「和くんお洒落だもんね。服好きなの?」
「うんまあ…」
「今度から和くんにスタイリストお願いしようかな」
冗談っぽく笑ってるけど全然お願いしてくれて構わない…
ジュエルボックスに綺麗に並べられたピアスを耳に慣れた手つきで付けて髪をセットすればめちゃくちゃイケメンの完成。
アクセサリー選ぶセンスあるなら服だって興味持ってていいはずなのにな…
「服見に行くんだっけ」
「あ、いや、いいや。なんか沢山あるっぽいから普通に遊びに行こ」
「何して?」
そう聞かれてデートってものを思い出すけど、ここ最近まともにデートしてない。
ほとんどホテルだったからな…そういうのしか思いつかなかった。
ホテルだったらいつもと同じじゃん。せっかく休日昼から行くのにそれは嫌だ。
かと言って特に思いつかないし…
うんうん頭を悩ませてるとぷっと笑い声が聞こえて手を握られた。
「まあとりあえず行こっか」
自然に手を引かれて連れ出される。
サラッとこういう事出来るのが格好いい。
(ずるいなあ…)
恥ずかしいのに握られた手が嬉しくて
軽く握り返すとちらっと俺を見て微笑む玖音に胸がきゅうってなった。
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