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「…俺も、玖音のこと独占したい」
たどたどしい言葉をじっと見つめて待ってくれる。
今までそんな感情を本人に伝えたことなかったから不安だったけど、ちゃんと言わなきゃって思った。
「お前格好いいし、仕事柄人寄せ付けるのも頭ではわかってる。けど、でも…くだらないヤキモチやいて、今日も話しかけられてるの見て、モヤモヤしてた」
「…和くん」
「あ、でも他の人と話さないでとか触らないでなんて言わない。そんなんで玖音の仕事の幅狭めたくないし、いいところだって思うから。でも、お前モテるから…選びたい放題だし俺なんかでいいのかなって、たまに不安になるから。こんなの伝えたら重いと思うけど…」
ぐっと拳を握って玖音の目を真っ直ぐ見る。
「玖音の事…す、好きだから。
お前が俺を自分のモノって言うように、俺も玖音のこと自分のモノって思って…いい?」
言ってる途中で段々後悔してきて声が小さくなる。
日本語おかしくなかったかな、大丈夫かな。
顔挙げれなくてずっと下を向いてたらぶっ!と吹き出す声が聞こえて反射的に見上げると眉毛を下げてめちゃくちゃ笑ってた。
「はは…っ、何それ、そんなこと悩んでたの?」
「そ、そんなことじゃねえよ!重い、だろうからあんま言いたくなかった…」
「あのね」
コツンとおでこが当たって緊張して息を止める。
そんな様子を見てふっと笑いながら
「僕自身が重い人間なんだから、
そんな風に思われて嫌に思うわけない
僕も和くんだけのモノだよ」
そう言って頭を撫でられた。
じわっと胸に温かいものが広がる。
「てかそれを言うなら和くんだってそうだから」
「…え?」
「和くんモテるんだから。しかも男。あんまり妬かせないでよ」
痛いくらいに抱きしめられて調子が狂う。
つまりお互いが同じ不安抱えてたってこと?
…なんだ、それなら早くこうして言って確かめ合えばよかったんじゃん…
…お互い様か。
自惚れていいのかな、俺も玖音もお互いがもう必要な存在になれてるのかな。
「…男にモテても嬉しくねえし」
「散々遊んでたじゃん」
「う…それは、過去の話だし。今は…玖音だけ、だし…」
否定しきれない過去にごにょごにょ口後もらせたけど、最後の言葉で気を良くしたのかぎゅっと抱きしめてくれた。
その日は結局しなかったけど幸せだった。
二人で眠くなるまで色んな話をして一緒に過ごして、朝飛び起きて今日はサボるって駄々をこねる玖音を何とか起こして学校に行った。
この先だってきっと消えない不安だろうけど
お互いがお互いのこと思ってちゃんと伝えれば受け止めてくれる人。
そんな人を好きになれてよかった。
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