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詰め込み旅行。
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「ねえ、あんた彼氏とクリスマスどーするの?」
「イルミネーションみて〜ホテルとってある」
「うわぁ〜いいなぁ、リア充め」
クラスの女子たちがクリスマス特集の雑誌を広げてそんな話を大声でしてるのをぼやっと見つめる。
クリスマスか…
恋人がいる人にとってクリスマスなんていう季節は特別なもので
一緒に過ごしたりプレゼント交換したり、そんな甘い時間を特別に感じるイベント。
俺にとっては特に今まで気にしてなかったイベントだけど今年ばかりは違った。
恋人がいるクリスマス…
実はそんなの初めてで楽しみで、どこに行こうかな…なんて完全に浮かれていたのが数時間前の俺。
そして今現在…
「ごめん、僕クリスマス付近フルタイムでバイトなんだ」
撃沈。
「あ…そ、そうなんだ…」
期末テストも終わってあと少しで冬休み、クリスマスになるから誘ってみたらバッサリ切られた。
バイトに負ける俺って…
最近全然一緒にいれていなかったからてっきりクリスマスくらいはって思ってたんだけどな…
テスト期間はセーブかけてたし、俺は俺でプレゼント買うために単発のバイトをしてたから会えてない時間が多くて
つまりちゃんとした本番をここ三週間位してない。
クリスマスは一緒にいれるだろうからと思って頑張ってたのと我慢してたのとで断られたのはだいぶダメージがでかい…
(…今年は悠太郎と涼とカラオケでも行くかな…)
誘いを断られて自分でもわかる位にテンション下がりまくりでとぼとぼ歩いてると、ふふっと笑い声がして離れた距離を詰められて隣に並ばれた。
けどなんか、悔しくて。
楽しみにしてたの俺だけだったのかと思うとちょっと悲しかったからふいっと顔を背ける。
「落ち込まないでよ」
「…別に…」
「あーもう、そんな顔しないで」
手が伸びてきて無理矢理顔を持ち上げられて目が合った。
きゅっと口を結ぶ。
やだ…見られたくないのに、泣きそうな顔なんて。
「クリスマスは一緒にいてあげれないけど、その後は全部あげるから」
涙をこらえてたらそう言われて「?」が浮かぶ。
その後?
理解出来ないでいると玖音が不敵に笑って
「30日からの三日間全部あげるから、それまで待ってて」
そう言った。
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