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【1日目】甘い鎖。
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寝坊したクセに待ち合わせの駅に20分も早く着いてしまった。
ほんとに遠足前のガキみたい…
「ふぅ…」
まだ来てないだろうと思ってベンチに座って一息つく。
…結局下着多めに入れてきたけどカバンを余計に重くしただけな様な…
あとはちゃんとプレゼントも持ってきてる、大丈夫。
荷物を再度確認して周りを見渡す。
年末なのに人多いな…
これちゃんと玖音見つけられるだろうか
「…あ」
なんて思ってたらすぐ見つけた。
柱に寄りかかって怠そうに音楽を聞いてるだけなのに、目を引く白くてキラキラした人。
…周りにいる女子大生が玖音をチラチラ見てる。
無駄に目立つんだよくそ…
やっぱりそういうのを見るとチクチクするけど…
ちゃんと受け止めてくれるってわかってるから。
「玖音」
「…あ、和くん早かったね」
名前を呼んで俺を見つけるとイヤホンを外してにこっと笑顔を向けてくれた。
こうやって玖音の優しさ独り占めできるのは俺だけだから何も気にすることなんてない
「昨日電話したまま寝ちゃってたからてっきり寝坊してくるかと思った」
「ちゃんと起きたし…」
言い合いながらバスに乗り込んで外を眺める。
目的地の温泉旅館まではあと一時間くらいかかるらしい。
睡眠時間少なかったから瞼が重い…
「眠い?」
「ん、少し…」
「今のうちに寝ときな」
優しく頭を引き寄せられて玖音の肩に寄り掛かる。
いつもなら外でやめろ!って言うんだけど旅行先だし…いいかななんて眠い頭で考えてそのまま身を任せる。
大人しく抱かれてる俺にふふっと笑って耳元で小さく囁かれた。
「しばらく寝れないしね」
「っ、ちょっと…」
眉を寄せて睨みつけると悪びれもなく笑ってた。
…余計寝れなくなるだろバカ…
けど寄りかかって心地いい体温に一気に睡魔に襲われてウトウトしてきてそのまま目を瞑った。
…あったかい…
旅先だからか眠いからか、素直に甘えられる気がして自分から玖音の手を握った。
何も言わずに握り返してくれてすぐに眠りにつけた。
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