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昼過ぎ。
シャーペンを机に投げて背伸びをした。
「よーし、とりあえずここで終わり!」
「悠太郎結構進んだじゃん」
「本気出せばこんなもんよ!」
「…普段から小出しにすればこんなたまらないのに」
とりあえず一息ついて俺と涼は全部終わって、悠太郎もめんどくさいのは先にやってあとは自分で家で出来るようなものしか残ってなかった。
俺の場合は玖音と一緒にやってたから今回は早く住んだだけでいつもは悠太郎みたいなタイプだったけど終わらせておくの楽だなあ。
時計を見ると13時ちょっと過ぎを指していて、そろそろ行くかとみんな立ち上がって出入口に向かう。
ちょうど俺達が出る時に女の子達の集団も入ってきてぶつかりそうになった。
「おっと…」
「あ、ごめんなさい」
「いえ、こっちこそ…」
そう言ってお互い顔を見て固まった。
一年以上ぶりに会った、驚いた顔。
「…和」
「…若菜…」
お互い立ち止まって見つめ合う。
目をめいっぱい見開いて俺を見つめるその人はショートカットがよく似合って性格も良くて…
前の恋人だった人。
玖音に出会う前に、唯一本気で好きになって付き合ってた彼女だった。
相変わらず綺麗な人だった。
「…久しぶり、だね」
「…おう」
懐かしい。
こうして話すのはいつぶりなんだろう。
「…」
「……」
お互い何も言えずに沈黙が続く。
「若菜?」
「和行くぞー」
同時に両方の友達から呼ばれて「うん」とお互い返事をして再度向き合う。
どうしよう、なんて言えばいいのか。
「じゃあ」って言ってそのまま別れる?それでいいのか…?
迷ってると若菜が穏やかに笑って手を差し出した。
「じゃあ…」
「あ…おう」
その手を握って軽く振られてするっと抜けて行った。
小さい手を久しぶりに握った感覚に急激な懐かしさがこみ上げてくる。
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