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別れてからも俺は若菜の事泣かせてたのかな
彼女の前では自慢出来る彼氏になりたくて出来ることはしてあげたかったし格好いいって思われてたかった。
弱音なんて吐いたこともなかったし泣いてる姿なんて見せるわけなかった。
だからといってキャラを作ってるわけじゃなかったけど、格好悪い姿を見せるのは嫌だった。
付き合う前のたらしの頃を知られてるから尚更よく見せたかったんだと思う。
それが若菜を寂しがらせてるなんてこれっぽっちも知らずに…
格好よくいたかったから、苦しませたくないから、
そう思って黙ってたことが裏目だったと知ってため息をつく。
自分がガキすぎて。
「…信じてなかったわけじゃないよ、お前の前では情けないとこ見せたくなかっただけ。ただのプライド」
「……わかってるよ、わかってた。…ごめんね怒鳴ったりして」
「いや…お前我慢しがちだったから…本音ぶつけてくれて嬉しい」
…じゃあ俺も言うべきなんじゃないか?
これ以上かっこ悪く駄々捏ねて黙り決め込むのなんてダサすぎんだろ…覚悟決めろ。男だろ。
両頬をバチンと叩いて腹を括る。
今から話すことで若菜に重荷を背負わせてしまうかもしれないけど…
「…わかった、話す」
「うん…」
「けどきっと若菜の想像超えてるだろうから…嫌な話だって思ったら辞めるから無理すんな」
「大丈夫、教えて」
すう、と息を吸って心を落ち着かせる。
…大丈夫、話せる。
昨日の玖音の言葉のおかげで少しだけ心が軽くなってた。
「桃瀬…とは最近会ってる?」
「透?…うん、連絡はしてないけど廊下とかで見るよ」
「…そう」
「…透が関係してるの?」
若菜がそう言いながらハッとする。
「まさか透と何かあるって思ってる?透とわたしは何でもないよ。ただの友達…」
「それは知ってる。
若菜と離れた理由は、アイツから逃げるため」
「…逃げる?」
「お前と付き合ってた時…強姦されたことあるんだ」
「…強姦…って、誰が、誰に」
「俺が、桃瀬に」
しばらく沈黙が流れて「…ぇ…?」とか細くて戸惑った声がした。
言葉の意味を考えてやっと理解したけど内容を理解出来てないみたいで、
落ち着くためにもう冷めきったコーヒーを飲んで大きく深呼吸をして俺を見つめ直した。
「ちょっと待ってね…強姦、ってその…無理矢理するってこと、だよね」
「うん」
「…え、と…、え?何。透が…和に?男の子同士だよね…?」
「うん、男同士でも…出来ないわけじゃないから」
「……どういう事…」
ぐしゃりと頭を抱えて俯く。
ただでさえそういう事に乏しい若菜は混乱していた。
「ごめん、やっぱ言うべきじゃ…」
「今整理してるから待って」
俺もこれ以上なんて言ったらいいかわからなくて若菜が落ち着くのを黙って待っていた。
沈黙が今までにないくらい重い…
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