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玖音がくるまでどれくらい待ってたのかわからないけどその間スマホを握りしめて座っていた。
…どうしよう。
なんて言えばいい?
まだ気持ちの整理全然できてないのに。
いくら考えても正しい答えなんて思いつかなくて
ガチャガチャ!
「!」
そうこうしてるうちに玄関から鍵の開ける音がして反射的に振り返ったら慌ただしくリビングと廊下のドアが開いて玖音の姿が見えた。
「…ぁ、の…」
「……」
俺を見つけた瞬間ふっと表情が緩んで息を切らしながら近づいてきて痛いくらい抱きしめられて息が止まる。
「っ…」
「…おかえり」
そう耳元で呟く玖音の声が弱々しく掠れてて胸がいっぱいになる。
さっきお風呂で温まった体温が玖音に触れられた所から冷たさを感じて冷えていくのがわかった。
「…玖音…身体冷たい…」
寒そうな身体を少しでも温めたくて背中を擦る。
触れる頬も冷たくて氷みたいで…一晩中外にいたのだろうか。
俺が連絡しなかったから…
「…ずっと、探しててくれたの…?」
連絡しなかった事とかすっぽかしか事には一切怒らなくて、眉を下げて笑って俺が居ることに心から安心してくれてる玖音を見たら罪悪感で押しつぶされて耐えきれなかった。
「…ごめ、ん…ごめんなさ…」
ぼろぼろと涙が頬を伝って流れる。
玖音の服に染み込んでいって濡らしていく。
「…ごめ…」
こんな他の人に触れられた身体で縋っていいのか戸惑いながらも背中に腕を回してしがみついたらぎゅうっと強く抱きしめてくれて
その瞬間何かがぷつん、と切れてだめだった。
「…ぅ、ぇ…ぁああ…ッ!」
子供みたいに声を上げて泣いて玖音の腕の中で甘えた。
その間玖音は何も言わず、聞かずに俺が落ち着くまでずっとそうしてくれていた。
触れる肌が昨日のアレと比べ物にならないくらい温かくて心地よくて、それを目いっぱい感じたくて…
ずっとそうして甘えたかったけどちゃんと言わなきゃダメだって思った。
それで幻滅されて離れることになったとしても…
「…ず…っ」
「…落ち着いた?」
泣きすぎて鼻水とか涙でぐちゃぐちゃの顔でゆっくり頷いたら髪を撫でられる。
触れるすべてが優しい…
ただ玖音を見つめることしか出来なくて目が合えば安心させるみたいに微笑んだ。
「目真っ赤」
「…ん…」
泣き虫、って笑いながら頬に手を添えて指で優しく涙を拭ってくれた。
それでまた泣きたくなって涙が溢れるからきりがない。
…添えられた手をきゅっと握りしめて口が勝手に開いた。
「…き、のうね…」
「うん?」
「きの…っ、も、もせにね、会って…」
なんでいきなり話そうと思ったかはわからない。
黙ってることが耐え切れなくて聞いてほしかったんだと思う。
「…ももせ?って誰…」
首を傾げながらそう言って途中で思い出したのかはっと表情を変えた。
前に話した時少しだけ聞き覚えがある名前。
…多分玖音にとっては嫌な方の名前として記憶されてるだろうけど。
それだけで嫌な報告だと察するには充分すぎた。
「…どうして?わざわざ会いに行く必要なんてない人でしょ?」
「……」
玖音の言う通り、会いたくない人だし呼ばれたから行くなんて絶対する必要のない相手。
なんで会いに行ったか…
ぎゅっと唇を噛んで俯く。
…いざとなると言うのが怖い…嫌われるかもしれない、そう思うと中々声が出なくてただ俯いていた。
「和くん」
名前を呼ばれてぴくっと肩が跳ねる。
「大丈夫だから…教えて?」
頭を撫でられて、あやす様な優しい声に少しずつ声が言葉が漏れる。
「……はんばーぐ、作って待ってたら…若菜の、携帯から…連絡来て…」
「うん」
「…それ、で…掛け直したら、桃瀬で…」
「うん」
「それ、で…っ」
「…ゆっくりでいいよ」
息が詰まりながら全部話した。
電話に出たら桃瀬で、来ないと若菜が危険な目にあうと脅された事。警戒はしてたけど他にも人がいて抵抗出来ないで殴られて車に押し込まれてどこかに連れて行かれたこと。彼氏がいるってわかって玖音が付けた痕の上から付けられた事。薬を入れられて訳わかんなくなっちゃった事。
…嫌なのに感じて縋ってしまった事。
順番とかぐちゃぐちゃかもしれないけど一度話し出したら止まらなくなって伝えた。
「ひ…ぅ、…ごめ…なさ…っ」
「…なんで謝るの…」
「…っだ、って、気持ちいい…って少しでも思っちゃって、嫌なのに、嫌なはずなのに…っ好きな人にだけ感じたい、のに…」
「……」
「……こんな身体嫌だ…っ」
ぎゅうっと両腕を抑えて身体を抱き抱える。
快楽に敏感で貪欲で厭らしくて
…汚らわしい
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