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ぎゅう…っ
(…え…)
苦しくて目眩がしそうな瞬間甘い匂いが強くなって目を開ける。
「僕は好き」
玖音の声が上から聞こえてきて胸元に埋まってる顔をゆっくり上げたら頬にキスを落とされた。
「感じやすくてすぐ赤くなる肌も」
ちゅ
「物欲しそうに潤む瞳も」
ちゅ
「柔らかい唇も」
あちこちにキスをされてふわふわした気持ちで見上げた。
「全部好きだよ」
「…っ」
目が合って微笑んでそんなこと言われたら…
溢れてたまらない
ぽた…と服の上に染みが広がる。
「…なん、なんで…っそんな優しいの…」
「ん?」
「怒らないの…?嫌にならないの…こんな…」
震える声で問いかけたらくすくす笑われてまた抱きしめられて胸元に顔が埋まる。
「嫌いになんかならない。…ちゃんと和くんが好きでいてくれてるのも、伝わってるから」
だから和くんはすごく綺麗だよ、って言われてまた涙が止まらなくなった。
…許してくれるの?
「…ぇぐ…っ、ぅ…」
「…また泣く」
苦笑いされながらしょうがないなって感じで背中を撫でる手にすごく安心して静かに涙を流した。
「…くぉ、玖音…」
「何?」
「…すき、大好き…」
「うん」
「…他の人とする、つもりなんて…なくて…っ」
「わかってるから…少し休も」
そういって米を担ぐみたいに肩に乗せられてベットに連れていかれた。
布団をきちんと被せられて横に座って頭を撫でてくれて安心したのか、ぎゅるる…っと思いっきりお腹がなった。
「……」
「……」
お互い固まって見つめ合う。
先に沈黙を破ったのは玖音だった。
「…っふふ…っ、お腹空いたの?」
「……ごめ…」
絶対そんな雰囲気じゃないのに、昨日の夜から何も食べてなかったから安心した瞬間に空腹を思い出したらしく間抜けな音が響いた。
…空気読めよ俺のバカ…
恥ずかしくて布団に顔を埋めたらベットから降りてキッチンの方に向かってしばらくしてチン、という音が聞こえて片手に持ってきたのは昨日作った不格好なハンバーグだった。
「…それ…」
「作ってくれたんでしょ?一緒に食べよ」
レンジで温められたハンバーグが食欲をそそる匂いを放ってて身体を起こす。
受け取ろうと思ったのに何故か全然皿を渡されなくて首を傾げてたら丁寧に箸で分割してその一つを箸で摘んで俺の口の前に持ってきた。
「え…っ」
「あーん」
「……ぁ、あー…」
促されるままに口を開ければ満足そうに目を細めて口の中に箸を運ばれた。
「…しょっぱい…」
あれ…なんでこんなしょっぱいんだ?
俺の反応に玖音も一つ食べて咀嚼してくすくす笑ってた。
…絶対なんか間違えた。
「塩入れすぎ。勉強まだまだ足りないなあ」
「…うぅ」
「今度教えてあげる」
「…うん」
しょっぱいって言いながらも嫌な顔一つしないで全部食べてくれてお風呂入った?とか、何か必要なものある?とか、色々気を使ってくれて優しくて嬉しかった。
玖音のそばにいていいってことが何より嬉しくて幸せな気持ちで
…大好きなんだなあって、めちゃくちゃ愛おしく思った。
くあ…っとあくびが出て瞼が下がってきて目を擦る。
まだ寝たくない。話していたいのに身体の疲れが限界で言うことを聞いてくれない。
うとうとしてるのに気づいた玖音が俺の身体を横に寝かせた。
「眠たいでしょ?寝ていいよ」
「……んん…やだ…玖音とまだ…」
「ここに居るから…ね?」
駄々っ子みたいにぎゅっと服の裾を握りしめて嫌々首を振ったけど撫でられる温かい体温が心地よくてふわふわした気持ちいい世界に落ちていくのがわかった。
「…ん…ぅ」
「おやすみ和くん」
その言葉を最後にふっと力が抜けた。
完全に落ちる前に、微かにだけど唇が触れた気がした。
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