アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
.
-
月曜日。
「…和…!」
「おはよう」
「…おはよ悠太郎、涼」
教室に入れば珍しく俺より先に悠太郎がいて少し驚いた。
心配そうに見つめてくる悠太郎と、なんで早く来てるのかよくわかってない涼がいてふっと眉が下がる。
「なあ、なんで今日こんな早いの?いつも遅刻ギリギリなのに」
「た、たまにはいいだろ!!」
二人のやりとりをみて小さく笑う。
悠太郎…涼に相談しないでくれたんだ。
とても言える話じゃないからってのもあるだろうけど、本音は多分涼にも相談したくて仕方なかっただろうからその気遣いに感謝した。
「ありがとう悠太郎。大丈夫だよ」
「…ほんとに?」
「うん。心配かけてごめんね」
「当たり前だろ!…和は大事な友達だからな」
にぃっと笑う悠太郎に自然と笑顔が零れる。
「…何、二人で内緒話?」
「そうだ!和と俺の秘密!!な!」
「ふふ…うん、秘密」
「…何だそれ」
ため息をついて本を読み始めたけどそれ以上深くは探求してこないのが涼のいいところ。
正直あまり話したくないから詮索しないサバサバしてる涼に救われた。
きっと逆だったら悠太郎はうるさい…
そのパターンを想像してきっとめちゃくちゃ聞いてくる頭の中の悠太郎に苦笑いしながら机の中を見たら休んでた金曜のプリントが数枚入っていた。
ちょうど連休だったから学校を休んだのもあの一日だけで済んで必要以上に休むこともなくて単位の心配とかそこまで大きくなくて少しだけ安心した。
昨日は玖音から「一人にさせたくないから」って言ってくれて自分の家から制服とか持ってきてその後ずっとそばにいてくれた。
朝来る時も一緒に登校して目立つから周りから注目を浴びて恥ずかしかったけど大切にされてるのが嬉しくて素直に甘えた。
…もう気にしてない、傷ついてないっていえば嘘になるけど、けど玖音が全て知った上でそれでもそばにいることを選んでくれたから…
それだけでもう大丈夫だと思えた。
そう思ってたんだけど…
「…んー…っ」
「何、甘えたさん?」
あれから何日か過ぎたある日。
ソファーに座ってる玖音の腰に腕を回して顔を押し付けてダラダラ過ごしてた何でもない日。
くすくす笑いながら頭を撫でられる事が…いつもなら嬉しいのに物足りなく感じた。
「……」
家に呼ばれて期待してないって言ったら嘘になるけど…何もなさすぎじゃないですか?
…実はあの事件から一回もしてなかった。
キスすらしてない。
けど抱きしめたり一緒に寝たりはしてるから嫌われた訳では無いのかもしれないけど…
あんなことあったあとだから自分から誘うのもやりたがりみたいで嫌で…
でも溜まるものは溜まるからもどかしくて…
顔がめちゃくちゃ熱くなって恥ずかしくて死にそうだったけど勇気を出して玖音の腕を引いた。
「なーに」
「…くお…」
口から漏れる声が甘ったるくて切なさが隠せなくて、こんなの欲求不満だってバレちゃう…
お腹の辺りに押し付けてた顔を上げて玖音を見つめたらハッと目を見開く玖音と視線が絡む。
…キスしたい、
無意識に服を引いて顔を近づけようとしたら強い力で肩を押し返されて身体が離れた。
「ごめん。もう眠いから」
(…え…)
あからさまに拒否された。
頑張って誘ったつもりなのにそんな風にされたらそれ以上どうしていいかわからなくてただ呆然としていた。
…なんで?
やっぱり嫌だった?怒ってるの?
…言ってくれなきゃわかんないよ…
バツが悪そうな表情をしながら寝室に先に行ってしまった玖音の背中をただ見つめることしか出来なくてしばらく動けないでいた。
「……ぅ…」
気がついたら涙が零れてて声を出さないように抑えながら静かに泣いた。
……どうしよう、嫌われたかな。
あんなことあったくせにやりたいなんて軽いって呆れた?
玖音とだからしたいのに…
…最後に残ってるのがアイツの温度なんて嫌なんだ…
「……」
十分くらいそうしてただろうか。
ふらふらと寝室を覗いたら大きいベットの隅に本当に疲れてたのかすやすやと寝てる玖音を見つめる。
…俺が寝れるところも空けててくれてるのが優しい。
…けど違う…そんなそっぽ向いて一緒に寝るなんて…寂しいだけだよ…
ぎゅっと唇を噛んでまた泣きそうなのを耐えてたらふとクローゼットにある所謂大人の玩具が入ってる箱が目に入る。
……最低かもしれない、けど何も止めることが出来なくて手が伸びた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
230 / 265