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「玖音…っ待って」
裏に入ったから名前を呼んだけど振り向いてくれない。
ただ掴まれた腕が痛い…
「くお…っわ…!」
ぶんっといきなり前に引っ張られて玖音の前によろけ出る。
そのまま手をついて転んでしまった。
「痛…」
「それで」
後ろから声がして振り返ったら玖音が顔がつきそうな距離で壁に手をついて俺に覆いかぶさった。
「僕に触るなって言っといて他の人に触られてるのをわざわざ見せにきたの?」
「…え…」
近距離でそろ…っと視線を合わせたらさっきまでニコニコ接客してた面影がまったく無くて、無表情と冷たい声に言葉が詰まる。
今までも何度かこんな感じに不機嫌になる事があったけど、こんな本気で怒ってるみたいな顔は知らない。
「…違…う、ライトさんが呼んでくれた…」
戸惑った頭でとりあえず出てきた言葉がそれだった。
頭にかけられたお酒が髪からぽたぽた落ちていく。
それを拭う事も許されない空気に怖気づいてしまう。
「オーナーに触られるのはいいんだ」
「え、ちょ、…痛…ッ!」
いきなりTシャツの襟元を引っ張られてはだけて現れた肩に噛み付かれた。
甘噛みなんてそんな優しいものじゃなくて思い切り。
じわっと血が滲む…
「っ、痛い!玖音、やめ…!」
「…」
訴えても俺と目を合わせることもしなくて逃げないように俺の手首を床に押し付けてただ噛まれるだけ。
怖い…
傷よりも、いつも意地悪してくる玖音とは全然違う冷たさが痛かった。
「腰なんか撫でられて僕が間に入らなかったらアイツとホテル行った?」
「は…」
流石になんで怒ってるかわかった。
玖音に触るなって言ったくせに、他に人に平気で触らせてることに怒ってる。
「他の男に抱かれた?」
耳元で囁かれた言葉に俺は思いっきり玖音の手を振り払う。
「っそんな訳ないだろ!!…お前だから嫌なんだよ!!」
「…なに…」
玖音がぎょっとした顔で俺見てる。
気づいたらじわっと目に涙が浮かんでて、涙目でそのまま勢いに任せて続けた。
「お前に触られたら色々思い出すし抵抗しても結局流されてやっちゃうし、
自分でも我慢出来なくなるってわかってるから!!
やったらその後身体動かせないし、せめて試合まではちゃんとしなきゃって思ってたのに…
…誰が他の奴なんかとやるかよ!!」
言いながらぽろぽろ涙が溢れてきた。
俺何言ってんだろ。またそんな口聞くんだ?って怒られるのに。
でも他の男に抱かれた?なんて聞いて一気にいろんな感情が溢れて…止まらなくて。
練習してた期間だって本当は会いに行きたかったし連絡したかったし…抱いてほしいって思ってた。
我慢して我慢してやっと終わったと思ったのに結局ずっと連絡なくて会えなくて。
もう他の人なんて考えれなかった。
…お前じゃないと嫌だって身体が叫んでる。
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