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…あれ…ここどこだっけ…
「よいしょ…っと」
ゆらゆら心地いい。
優しくて温かくて幸せな気分だった。
ふわっと甘い匂いに包まれて俺は縋るように匂いのする方に手を伸ばす。
「寝顔可愛いね」
「見ないでください」
遠くでそんな会話が聞こえる…
伸ばした手を優しく握られて安心して頬が緩む。
「お前の事大切に想ってるみたいだし、大事にしてやれよ」
「…僕と一緒にいても幸せになんかしてあげれないから」
苦しそうな声。
握られた手にぐっと力が篭った。
「だから、本気になるつもりもありません」
「…もう遅い、って俺は思うんだけど」
「……」
「アレはお前が悪いわけじゃない。怖いかもしれないけど信じて話してやれよ。受け止めてくれるって」
…玖音?
ぼやっとした視界で見えた顔が苦しそうで…
…何で、泣きそうなの…?
ねえ、
泣かないで…
ぎゅうう…っ
「っ」
「…ん…くお…ん」
手を繋いでない方の腕で首に腕を回す。
「…和くん…?」
「……ん…んん…」
戸惑った玖音の声。
大丈夫だよ…俺が…そばにいるから…
そう心を込めて顔をすりよせた。
恋人になれなくても…そばにいたいんだ…
「…すぅ…」
「………」
「…寝ぼけてるみたいだね」
「……勘弁してくださいよ…」
ぎゅっと抱きしめられて玖音の匂いが強くなる。
…気持ちい。ずっとこのままくっついていれればいいのに…
ふわふわした頭でそんなことを考えていた。
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