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放課後涼に連れられてカラオケに入った。
「ごめん、カフェとかだと周り気になるかなって思ったからここにしたんだけど…平気?」
「大丈夫。ありがとう」
涼は俺がカラオケでレイプされたことも知ってる。
だから極力二人で遊ぶ時はカラオケに入らないようにしてくれてた事も知ってた。
別に涼と二人きりになっても怖くはないんだけど、その優しさが嬉しかった。
ドリンクバーのコーラを持ってきてしーんとする室内。
外のうるさい音楽が静かに響く時間が続いた。
先に沈黙を破ったのは涼だった。
「何があったの?」
眼鏡を直して俺に向き合う。
何から話せばいい?
ていうかこんな話…涼にしていいのか?
今更だけどそんなことを考えて黙ってしまう。
「今更考えてんじゃねえよ」
「いたっ」
いきなり思い切りデコピンをされて額を押さえる。
優しく笑いながら「全部聞いてやるから、正直に話せ」って言ってくれた。
涼の包容感に安心してしまって、じわっと涙が滲む。
「あの、ね…」
「うん」
「…あの…」
「…」
「……好きな人ができた」
たどたどしく言葉を繋いで
今までの経緯を大まかにだけど話した。
ホテル街で出会った人とまた身体の関係を結んだこと。
それだけだと思ってたらいつのまにか好きになってしまったこと。
好きだと伝えさせてもらえなかったこと。
けど…今も抱き合っていること。
「…どうしたらいいかわかんない」
そばにいたいのに、近くにいると抑えられない。
言いたい、言えない。苦しい…
せめてちゃんと伝えて、振られたほうが諦めがついたのに。
いっそ嫌われてほっとかれればこの気持ちにも冷める時がくるのかもしれないけど、
あれ以来、むしろ前よりもくっつかれることが多くて、
触れる手や囁かれる言葉が優しいから期待してしまう。
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