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それぞれの思い(玖音side)
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迂闊だった。
今まで誰にも見せた事なんてなかった。
というか見せないようにしてた。
セックスの時なんて大体背中なんて見せないし、
背中向ける時はタオルとか服とかで隠れる時しか向けないようにして注意してたのに。
甘い時間に気が緩んで
すっかり忘れて…和くんに見られてしまった。
「玖音これどうしたの…背中…」
そう言われた瞬間血の気がさあって引いていくのがわかって気づいたら
「っ、触んな!!!」
自分でもびっくりするような声で
反射的に和くんの手を弾いてしまった。
「っ!」
思わずやってしまった行動に
しまったと思った。
「…あ…」
でももう遅い。
和くんが手を押さえて俺を見てるけど
「ご…ごめ…」
泣きそうな顔をして俯いていた。
どうしよう。なんて言う…?
ドクドクと心臓が脈を打って嫌な汗がでる。
…嫌だ…知られたくない。
でも…謝らないと…
「じ、じゃあ…っ俺…教室戻るね…っ」
僕が迷ってるうちに和くんは涙目になりながらそう言って出ていってしまった。
「っ、待って…!」
追いかけたけどあっという間に人混みの中に入っていって見失ってしまった。
制服も中途半端だったし一旦教室に戻る。
「…くそ…」
その場に座り込んで自分の手を見つめる。
…僕が傷付けた。
きっと泣いてる。
臆病になりすぎて、傷つけてしまった…
和くんがあの時言いかけた言葉をわかってるのに
聞きたくなくて
でも離したくないから
強引にでも身体を重ねてた。
なんて狡い考え。
「…卑怯だな…僕も」
笑える…結局あの人と変わらないってことか…
僕が臆病だから
打ち明ける勇気がないから
きっといつか離れていく…
…けどその方がいいのかもしれない。
その方がきっと和くんのためになる。
「…一緒に回るつもりだったのにな」
あんなことしなければきっと今頃楽しい時間が流れてたのに、僕がそれを壊した。
後悔しても遅い。
行くとこもないし帰ろう、と思って控え教室に向かう。
教室の前でスマホを弄ってる男の子がいた。
クラスメイトにあんな奴いたっけ…
近づいていったら向こうもこっちに気づいて、何故か僕の方に向かってきた。
「真白さん、ですよね」
「…君は…」
「ちょっと話あるんで付き合ってもらえますか」
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