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「和ー!!」
校舎前を玖音と一緒に歩いてたら後ろからでかい声で呼ばれて振り返る…
「ぶへっ!!」
瞬間ヘッドロックされてよろける。
こんなことするのはアイツしかいない。
「お前昨日サボったろ!!お前の荷物俺が持ってたんだからな?」
「…ああ…ごめん、ありがとう悠太郎…でもちょっと苦しいから離して…」
悠太郎はデカいからのしかかられるとめちゃくちゃ重い…
歩きながらじゃれてると横から笑い声が聞こえて玖音を見る。それにつられるように悠太郎も顔を上げて目を輝かせた。
「なあなあ二人で並んでるってことは上手くいったんだよな?そうだよな!真白くん!和の彼氏になったなら俺とも友達になってよ!俺赤…」
「バカ!!声でかい!!」
慌てて悠太郎の口を塞ぐ。
か、彼氏とか人前で言うなよ!!
バカって怖い…
玖音は他人事みたいに面白そうに笑って「よろしくね」ってキラキラしたもの振りまいてた。
だから男に…つか俺の友達に愛想振りまくな…
「おはよう」
「お、涼おはよ」
「おーっす!」
いつも通りの日常なんだけど俺らを見て涼の目がすっと細められた。
…あれ?なんか…
違和感を感じつつもよくわからなくて「?」を浮かべていたら俺らじゃなくて玖音を見てることに気づいて玖音を見るとこっちもなんか雰囲気がいつもと違くて首を傾げる。
「約束守ってくださいね」
「うん」
たったそれだけの会話。
約束…?
てかこの二人話したことあったのか?
「約束って?」
玖音に聞いたら頭をくしゃっと撫でられて「内緒」って言ってそのまま先に行ってしまった。
なんだ…?
「涼、玖音と何かあったの?」
「いや、何でもない。行こ」
はぐらかされてしまってそれ以上は聞けなかった。
…けど、きっと何かしてくれたんだろうな
見えないところでも支えられてるんだな俺。
「あっ、そういや涼お前まで昨日なんでいなかったんだよ〜」
「調子良くないから先帰った」
歩きだそうとする涼の腕を思わず掴んでしまった。
ちゃんと言わなきゃ。
「涼、あの…色々迷惑かけてごめんね」
「迷惑なんて思ったことないよ、和が笑えるならそれでいい」
ふっと優しい顔になって頭を撫でられた。
…涼の手安心する。
「それと…ありがとう」
そう微笑んだら嬉しそうに笑ってくれた。
きっと大人になっても変わんないでこうしていられる、そんな気がする…
「ほら片付けるぞ」
「うん」
「ふぁーだるいなぁ…」
二人が受け入れてくれるからきっと踏み出せた。
本当に、感謝してもしきれないくらいのありがとうを言いたい。
「二人ともありがとう、大好き」
先を歩く二人にそう伝えた。
涼は呆れたように笑って悠太郎はニヤニヤしてた。
「いきなり何言い出すんだか…」
「いいじゃん!俺もお前ら大好き!!」
男子高校生が大好き言い合う図ってキモいかもしれないけど…まあ今日は特別ってことにしておこう。
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