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出発前夜。和side
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玖音が働いてるのに俺だけ遊んでるのも申し訳なかったから、年末に帰ろうと思ってた実家帰省を旅行前に済ませた。
もちろん母さん達には玖音のことは話してない。
…母さんなんて思うんだろうな。
息子がホモって、やっぱり嫌かな。
久しぶりに家族で集まった時間だったからそんな不安を無理矢理塞ぎ込んで地元の友達とかと遊んでゆっくり冬休みを満喫していたらあっというまに玖音との旅行の前日になっていた。
「着替えいれた、お風呂セットも入れた、あとは…」
ただでさえ散らかってる部屋にキャリーケースを広げて服やらなんやらを詰め込む。
そろそろ掃除しないとまた玖音に怒られるな…
いつも来る時に部屋が散らかってると「ちゃんと片付けなさい」って怒られてる。
料理もできるし片付けもできるしお母さんかよ。
家を空ける前にある程度片付けようと思ってキャリーに入れなかった服をたたみ始める。
洗濯物の山に手をかけてぱっと目の前で広げたものを見て固まる。
(…あ〜…これどうしよう…)
自分の下着を見て忘れてたことを思い出す。
…多めに持ってったりした方がいいのだろうか…
多分、というか絶対ヤる。
お互い久しぶりだから絶対回数も多くなる。と思う。
しかも旅館…
浴衣、とか、お風呂とか…色んなところで何回も…
「うわああああ!!考えんな!!」
ぼふんっ!と洗濯物の山に頭を突っ込んで頭を落ち着かせる。
ドキンドキンと心臓が高鳴って顔が熱くなる。
もちろん嫌なわけない。むしろ沢山して欲しい。
三日も二人でいれるなんて、しかも年越しも一緒に過ごせるなんて贅沢すぎる。
「俺こんな幸せでいいのかな…」
心の声が漏れる。
男と付き合うなんて考えたことなかったし付き合ったところで幸せなんかないと思ってた。
…というか玖音が俺の事を大事にしてくれてるのがめちゃくちゃ伝わってきて、それがこそばゆくて愛おしい。
だから少しでもこの旅行で…普段たくさん貰ってるものを返せたらいいな、なんて
♪♪♪〜
洗濯物に顔を埋めてたらスマホが鳴って画面を見ると考えてた名前が表示される。
エスパーか…
「もしもし?」
『あ、まだ起きてた』
「起きてるけど…何?」
『んー和くんの声聞きたいなって』
ほらこういう所。
無意識に俺の心をぎゅってさせる。
「…楽しみで寝れないとか?」
『和くんだって楽しみなクセに』
「……そりゃ、そうだけど…」
ごにょごにょと口篭る。
冬休み入ってもないし、やり取りはしてたけど電話する時間も合わなかったから声聞けただけで胸があったかくなる。
『あ、日付変わった』
「え?…あ、ホントだもうこんな時間…」
言われて時計を見たら12時を回ってた。
…30日になった。
『誕生日おめでとう和くん』
もしかしてそれのために電話してくれたと思うと嬉しくて顔が綻んだ。
「…うん、ありがとう」
『明日沢山してあげるから待っててね』
「っバカ!そういう事…っ言うなよ」
『あれ、楽しみじゃないの?』
なるべく気にしないようにしてたのに…そんな事入れたら意識するだろ…
結局その後も眠くなるまで電話を繋げて気付いたらそのまま眠ってて、
朝起きて急いで支度をして家を飛び出した。
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