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「あの、つかぬ事をお伺いしますが、玖音くんと和くんはお友達ですか?」
「え、あー、うん。同じクラスの友達」
雪乃ちゃんがそう聞いてきて突然だったからそう答える。
まあそれが普通だろう。
けど彼女は「そうですか」ってちょっと不思議な顔をした。
…?なんだ?
「和くんは元々滑れるんですよね?」
「まあ、雪乃ちゃんたちみたいな凄いことは出来ないけど普通に滑る分にはね」
「じゃあ上行きますか?あっち大変そうだし」
指さす方を見たらずっこけてる玖音を両サイドで爆笑して支えるJKたち。
ちょっとモヤッとするけど…まぁ、いっか。
「玖音、俺ら上行ってくるけど…大丈夫?」
「ああ、うん行ってらっしゃい」
特に気に止める素振りもせずそう言われたし、せっかくだから滑ってこよう…
「玖音くんイケメンなのにスポーツ苦手とかウケる〜ww」
「スポーツ出来ちゃったら完璧すぎて嫌じゃん!抜けてるとこがいいんだって!」
両サイドJKがぎゃあぎゃあ話してる。
…俺雪乃ちゃんでよかったかも。
「じゃあ俺らは行こっか」
「はいっ」
雪乃ちゃんのを引き連れてリフトに向かうのに横を通り過ぎた時。
「てか、なんでそんなやる気なんですか〜?」
「ん?…ああ、惚れさせたい人がいるから」
思わず反応してすれ違い様に振り返ったら、確かに目が合ってくすっと笑った。
「っ」
「え〜!何それ!玖音くんなんてかっこいいんだからちょっと出来なくたって惚れてるって絶対!」
「今以上にってこと。ね?」
「うわぁ〜!彼女羨ましい〜!!愛されてる!!」
………顔から火が出そう。
ウエアに顔を埋めてリフトに向かう。
バレたらどーすんだよバカ…
『愛されてる』
うん…自分でも感じるくらい愛されてる、と思う。
…ああ、今絶対キモイ顔してる。
ニヤけそうな顔を抑えて雪乃ちゃんの手を引いた。
そんなことしなくたってもう惚れてるっつーの。
「……やっぱ…かな…」
「…ん?何か言った?」
小さな声がして我に返って横に座ってる彼女を見るとハッとして首を振った。
「いえ!何でもないです!」
そう笑って前を前を向き直した。
滑りやすい絶好の雪と天気。
日が傾くまで何度も昇り降りを繰り返してターンの仕方とか教えて貰ってすっかり仲良くなって久しぶりに運動できてめちゃくちゃ楽しかった。
雪乃ちゃんはめちゃくちゃ上手で滑り方もかっこよくて止まる時に雪をザッってやって、ジャンプして回転するようなバリバリのスポーツ少女だった。
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