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「あれ…いませんね」
「てっきりこの辺でやってるかなって思ったんだけど」
ある程度滑って気がついたらもう三時間くらい経ってたから休憩がてらロッジ前に来たんだけど、見渡す範囲に三人の姿は見つけられなくて
とりあえず買ってきたココアを飲んで身体を温める。
どこいったんだ?
「ちょっと電話してみます!」
そう言ってスマホを取り出してさっきの二人のどっちかに電話をかけた。
けどいつまでたっても出なくて「うーん」と耳から話して難しそうな顔をした。
俺は俺でLINE入れてみたけど反応無いし…
…まさかサボって遊んでたり…しないよな?
ちょっとだけ頭に嫌な想像をしてしまって頭を振って振り払う。
この期に及んで女の子達とどうこうなんてありえない、そんな奴じゃないし。
そう思っても不安な気持ちは大きくなっていく。
嫌だな…やっぱり一緒に居ればよかったか。
「あっ、もしもし!今どこにいるの?」
横から声がして見ると繋がったみたいでちょっと興奮気味の雪乃ちゃんが話してた。
「うん…うん、え?ジャンプ台?」
「え…」
ジャンプ台
そう聞こえて声が出た。
「玖音くんも一緒?まじ?…うん、わかったー。とりあえず今ロッジにいるから上行ってそっち向かうね」
話がついたようでスマホを離すと俺の方に向き合った。
「なんか三人でジャンプ台のとこ滑ってるみたいですよ。玖音さん大丈夫ですかね」
「いや…アイツ今日初めてだし無理だと思うけど…」
「ですよね。あの二人が飽きて無理矢理連れ出したのかな…」
「ったくアイツらは〜」って怒ってる雪乃ちゃんを見て苦笑いを浮かべる。
滑れないのに無理して付き合って怪我でもしてなきゃいいけど。
とりあえず合流しようってなったらしいから少し休んでからそこに向かった。
まあジャンプ台っていってもそんなプロがやるようなのじゃなくて少しだけ上がってるようなものだけど。
普通に下見えないのに飛ぶの怖いし、俺はさっき雪乃ちゃんに連れられて一回滑ってみたけどそのまんま飛び出してなんとか着地出来ただけで彼女みたいに回転したりとかそんな事は出来なかった。
「あ、雪乃〜!和くんも!」
ジャンプ台の着地地点らへんで大きい声で手を振ってる二人組を見つけてそこまで滑って止まる。
「ちょっと!なんでこんな上級者向けのコース滑ってるの!玖音くん困るでしょ!」
雪乃ちゃんが二人に詰め寄る。
けど二人は首を振って笑ってた。
「違うよ!玖音くんがこっち来たいって言ったんだよ、それに…」
ちらっと視線を上げて上を指さす。
それにつられて上を見上げたら
「それにもうバリバリ滑れてるし」
そう聞こえた直後にジャンプ台に向かって滑ってくる人影が見えて高く飛んだ。
逆光でシルエットしか見えなかったけどすげえ綺麗に飛ぶ人だな…と思った。
けどその影がこっちに向かって滑ってきて目を疑った。
「え…」
「あれ、和くん達合流してたの」
手前に上手に止まってゴーグルを外したら見知れた顔で、目が点になる。
それは隣にいた雪乃ちゃんもそうだったみたいで二人で何も言えないでいると不思議そうに首を傾げてた。
「どうかした?」
「いや…え、…え?」
「?」
なんでそんな平然としてるのかが俺はわからなくて温度差に戸惑ってると雪乃ちゃんがぐっと玖音に詰め寄った。
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